本記事は、応用物理学会発行の機関誌『応用物理』、第87巻、第7号に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するには応用物理学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(応用物理学会のホームページへのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(応用物理学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。『応用物理』の最新号はこちら(各号の概要は会員登録なしで閲覧いただけます)。

電気双極子近似が成り立たない空間的非一様な光の場(非一様光場)の研究により、光学禁制励起、第2次高調波発生、波数励起、局所磁場励起など、新規光励起が可能になる。本稿では、この非一様光場の特長を生かした、表面平滑化手法である近接場光エッチングを用いて筆者らが進めてきた一連の研究について紹介する。

 近接場光を用いることで、光の回折限界を超える空間分解能が得られること、また、プラズモン共鳴†1に由来する電場の増強効果が得られることから、これらの性質を利用したさまざまなナノ寸法イメージング1,2)やエネルギー変換効率増強素子3)が実現している。しかしながら、空間的に一様な伝搬光で動作する現状の光デバイスでは、光を空間的に一様だと見なす電気双極子近似に基づいてデバイスが設計されており、近接場光励起に特有の効果には着目されていない。これに対して、近接場光特有の性質である局在性、電場勾配を利用した全く新しい光化学反応および近接場光相互作用を基軸とし、新規光反応の利用を進めている4)。本稿では、この電気双極子近似が成り立たない近接場光の性質と、これを用いた新しい光加工技術の1つである近接場光エッチングについて解説する。

†1 プラズモン共鳴 金属微粒子に光が照射されると、金属中の電子は集団的に振動するプラズモンという状態となる。この光誘起のプラズモンによって、金属微粒子には電場が発生するが、その電場強度が、照射された光の特定の振動数によって特異的に強くなること。

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