部品メーカー各社が開発中の自動運転EV。(1)コンチネンタル(フランスEasy Mileの自動運転車をベースとした実験車両、写真:コンチネンタル)、(2)ZFの「e GO Mover」(写真:ZF)、(3)シェフラーの「Schaeffler Mover」、(4)パナソニックの「スペイシー」

 このところ、部品メーカーが自動運転EV(電気自動車)を公開する例が増えている。この10月下旬に、ドイツの大手部品メーカーであるコンチネンタルの日本法人であるコンチネンタル・オートモーティブは、開発中の自動運転EVを国内で初めて公開した。その後も11月に入ると、やはりドイツの大手部品メーカーであるシェフラーの日本法人であるシェフラージャパンとパナソニックが立て続けに自動運転EVのコンセプト車を公開した。日本ではまだ公開されていないが、やはりドイツの大手部品メーカーであるZFも自動運転EVを開発中である。

個人向けではなくサービス向け

 なぜここに来て、部品メーカー各社が自動運転EVという“車両”の開発に取り組み始めたのか。4社で共通するのは、いずれも個人が所有するクルマではなく、移動サービスを提供する専用車両を開発したことだ。

 今後、世界の各地で自動運転技術を使った移動サービスの商業化が始まると予想されている。最も早く商業化に踏み切ると予想されているのが米グーグル傘下のウェイモで、現在は米アリゾナ州のフェニックスで実証実験を重ねており、早ければ2018年内にも商業サービスの提供に踏み切ると見られている。

 ウェイモは市販の車両を使ってサービスを開始する予定だが、日本ではトヨタ自動車が移動サービス専用に開発中の自動運転EV「e-Palette」を使って、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで選手や関係者を運ぶ実証実験をする予定だ(e-Paletteについては本コラムの過去記事を参照されたい)。これら2社だけでなく、世界の各地で、完成車メーカーに加えて、米ウーバー・テクノロジーズや中国滴滴出行のようなライドシェアサービス企業などが相次いで自動運転車両を使った移動サービスの提供に踏み切る見通しだ。

 当初は限定された地域内で、時速20km以下というような低速での運用が多いと見られる。しかし時間が経つにつれて、次第にサービスの提供地域や速度領域が広がり、新しい移動手段として認知や利用が広がっていくはずだ。そうした新しい移動サービス市場を狙って、これまで自動車産業に関係なかった異分野のサービス企業も参入してくる可能性がある。しかしそれらの企業は、サービス分野では経験があっても、自動車を生産した経験はない。

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