今回のパリモーターショーで公開されたドイツBMW「3シリーズ」。このショーの目玉モデルの一つだった。

 前回に引き続き、今回もパリモーターショーのレポートをお届けする。10月15日に同モーターショーの事務局が発表したところでは、会期中の来場者数は100万人を超え、2017年秋のフランクフルト・モーターショー(約81万人)、同東京モーターショー(約77万人)、2018年3月のジュネーブモーターショー(約66万人)といった先進国の主要モーターショーだけでなく、開催規模では世界最大とみられる2018年4月開催の北京モーターショー(約82万人)と比べても来場者数は世界一の座をキープした。それでも、前回の107万人には及ばず、会期日数を前回の16日から11日に短縮した割に健闘したとはいえ、退潮傾向に歯止めがかかったとはいえない。

 前回のこのコラムでも触れたように、今回のパリモーターショーには独フォルクスワーゲン(VW)という“大物”が出展しなかった。しかし、独ダイムラーは前回のこのコラムで紹介した新型EVの「EQC」のほか、MPV(多目的車)の新型「Bクラス」、中型SUV(多目的スポーツ車)の新型「GLEクラス」などの新型車を出展したほか、ドイツBMW社も主力車種の新型「3シリーズ」を発表するなど、依然として重要な新型車の発表の場としてモーターショーを位置づけるメーカーも多い。

 こうした中、仏PSAプジョー・シトロエン・グループや仏ルノーといった完成車グループ、仏フォルシアといった地元の大手部品メーカーも広大なブースを展開し、地元のモーターショーを盛り上げようと力を入れていた。中でも筆者が強い印象を受けたのは、PSAとルノーの展示内容の違いだ。ルノーが自動運転技術を活用したサービス車両のコンセプトカーの展示に力を入れる一方で、このショーで発表する量産車の新型車がなかったのに対して、PSAはプジョー、シトロエン、DSの三つの主要ブランドすべてで新型車を用意。「未来」のルノーに対して、「現在」のPSAという対照を成していた。

リアエンドが美しいワゴン

 PSAが今回のショーで公開した新型車のうち、筆者が最も強い印象を受けたのが、プジョーブランドの最高級ワゴン車「508 SW」だ。ベースとなる高級セダンの「508」はすでに3月のジュネーブモーターショーで発表済みなので、バリバリの新型車というわけではないのだが、新たに発表された508 SWは、リアエンドの美しさが際立っていて、筆者の個人的な感想ではあるのだが、現在市販されているワゴン車の中では、最もデザインの優れるクルマの一つではないかと思った。

フランス・プジョーが出展した新型ワゴン車「508 SW」

 その魅力は写真ではなかなかお伝えしにくいのだが、リアピラー形状のバランスの良さや、微細な凹凸を備えたテールランプの造形の精緻さ、サッシュレス構造を採用した滑らかなウインドー周りなど、見どころは多い。こうしたデザイン要素だけでなく、そもそもクルマのプロポーションを、新型508 SWでは従来型と大きく変えている。というのもプジョーは新型508で、従来型車より全高を60mmも下げたのだ。同時に全長も50mm短くすることで、従来型車よりも格段に躍動感のある印象に変わった。特に全高を下げた効果は絶大で、最近の新型車は背の高いSUVが多いせいか、逆に新鮮に映る。そのうえ最近のクルマとしては比較的サイドウインドー下端の位置が低いこともあり、どことなく1970年代から80年代のクルマを感じさせるのも筆者くらいの年代には魅力的だ。

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