マツダが第45回東京モーターショー2017に出展したコンセプトカー「VISION COUPE」(写真:マツダ)

 なるほど、噂は本当だったんだな――。マツダの2018年3月期決算の発表内容を見て、そう確信した。その噂とは、マツダの次世代の上級車種が、縦置きの直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載するFR(フロントエンジン・リアドライブ)車になるというものだ。この噂はもともと、日経BP社が発行する『日経Automotive』のスクープなのだが、自動車専門誌、専門ウェブサイトがこぞって追随している(例えばベストカーガイドクリッカーなど)。

 今回の決算発表の内容をみて、この“噂”の真実味が増してきた、というかマツダが半ば公に認めたと筆者が感じているのは、この決算の中で同社が

 (1)次世代商品群を「Small」と「Large」の二つのアーキテクチャーを分離し、顧客ニーズ/セグメント特性/収益とコスト等の面から、商品戦略を最適化

 (2)「米国市場強化」「グローバルでのCX系拡充」「高付加価値商品群の強化によるネットレベニューの向上」を今後の新商品戦略で実現

 という二つの方針を掲げたからだ。

マツダは2018年3月期の決算発表で次世代のSKYACTIVでは商品群のアーキテクチャーを「Small」と「Large」の二つに分解することを明らかにした(出典:マツダ決算発表資料)

 ではなぜ、これらの方針をみて筆者は「真実味が増してきた」と思ったか。それを説明するために、まずは現行のマツダ車に盛り込まれている新世代技術「SKYACTIV」がどういうものかについておさらいしておこう。

 まずマツダが使っている「アーキテクチャー」という言葉だが、他の完成車メーカーでは「プラットフォーム」と呼ぶことが多い。プラットフォームとは、エンジンや変速機などのパワートレーン、車体のフロア周り、それにサスペンションなどのシャシー部分をまとめた、いわばクルマの基本部分を指す。この上に、車体の上屋(アッパーボディ)をかぶせて車両が完成する。

うまくいかなかった「プラットフォームの共通化」

 プラットフォームという概念が生まれたのは、部品の共通化によるコスト削減が目的だ。かつて、セダンがクルマの中心だった時代は、車種のバリエーションはそれほど多くなかったが、現在は、SUV(多目的スポーツ車)、ミニバン、それにクロスオーバー(SUVとクーペなど、異なるジャンルの要素を兼ね備えた車種を最近ではこう呼ぶ)というように、非常に多様化している。こうした車種を1車種1車種別々に開発していたのでは開発効率が悪い。

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