本記事は、電子情報通信学会発行の機関誌『電子情報通信学会誌』Vol.101 No.1 pp.79-84に掲載された「ワイヤレス電力伝送の技術、制度化、標準化最新動向」の抜粋です。本記事はオープンアクセスとなっておりますが、通常、全文を閲覧するには電子情報通信学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(電子情報通信学会の「入会のページ」へのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(電子情報通信学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。『電子情報通信学会誌』の最新号はこちら(最新号目次へのリンク)。電子情報通信学会の検索システムはこちら(「I-Scover」へのリンク)。

1.はじめに

 ワイヤレス電力伝送(WPT:Wireless Power Transmission/Transfer)システムは、携帯電話や電気自動車等の二次電池を利用したエレクトロモビリティ機器の発展とともに近年注目されるようになってきた。WPTシステムが注目されるようになったきっかけは、米国マサチューセッツ工科大学が2006年に、磁界共振(磁気共鳴とも呼ばれる)電力伝送と呼ばれる磁界結合WPTシステムを発表したことである。

 磁界共振WPTの発表以前から、コイルに電流を流すことで発生する高周波磁界(kHz帯~MHz帯)を用いた磁界結合WPTシステムは、シェーバーやコードレスフォンの充電台(1980年代から)やICカード(1995年頃から)等に採用され商用化されていた。電気自動車のワイヤレス充電システムは1980年代以降各国で実証研究が行われ、工場内の自動搬送車(AGV: Automated Guided Vehicle)への採用も早くから行われていた。一方、WPTシステムはGHz帯の電磁波を用いても可能であり、920MHz帯や2.45GHz帯を用いたRF-IDもマイクロ波の空間伝送によるWPTシステムが採用されている。

 これまで商用化されたWPTシステムは個別に利用できるシステムであり、例えばコードレスフォンのワイヤレス充電器でシェーバーの充電を行うような汎用性はなかった。しかし、磁界共振WPTシステムの研究開発が進むとともに、標準化により世界中どこでもエレクトロモビリティ機器をワイヤレスで充電できるようにしようとする機運が高まり、現在、各標準化団体で標準規格化の議論が活発に行われている。

 また、電波法制度上におけるWPTシステムの位置付けが不明確であったことから、国内外における制度化や利用周波数の国際協調に関する議論も活発に行われている。本稿では、WPTシステムの最新技術に触れるとともに、標準化や制度化活動の最新動向についても紹介する。

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