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イントランスHRMソリューションズ 代表取締役 竹村孝宏氏

 早とちりや思い込みによるうっかりミスが多い。作業がいったりきたりして、なかなかうまく進まない。ミスが多くて、そのフォローで時間をとられてしまう。周囲の人が何を手伝えばよいのか分からない…。

 こうした悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。悩んでいる人はぜひ、チェックリストを使ってみてください。

 ビジネスシーンでは、さまざまな業種でチェックリストが活用されています。例えば、旅客機のパイロットはフライト時に毎回必ず、チェックリストに基づく厳しい点検を行い、安全に飛行できるようにしています。いつも決まった作業を行うからといって、決して記憶に頼ったりはしません。

 人為的なミスは、次の3つに分けられます。

[1]目的を取り違えるミス
 指示する人の意図と指示を受けた人の意図との間にずれが生じるときに起こります。指示するとき、アウトプットに対する認識のすり合わせが行われなかった場合に発生します。

[2]うっかりミス
 作業の段取りを十分に行わずに着手したり、手順に従って作業しなかったりした場合に発生します。また、作業する人が独断で作業項目を追加したり、削除したりした場合にも起こります。

[3]確認ミス
 慣れた作業に対して「ミスをするはずがない」と思い込むことによって生じます。連続した単純作業をするときの集中力の低下も大きな原因の1つです。

 ミスというものは、1つひとつの程度が小さくても、手戻り作業が発生して作業時間を伸ばしてしまう大きな要因になります。こうしたミスを防ぐために効果を発揮するのが「チェックリスト」なのです。

チェックリストを使うメリット

 チェックリストを活用することにより、次のような効果があります。

[1]ミスが減る
 チェックリストを使う最大のメリットは、作業のミスを減らせることです。チェックリストを利用することで、指示する人と指示を受けた人の間で作業の確認・ポイントを統一でき、認識のずれがなくなります。小さな間違いを早期に発見できて、うっかりミスの予防にもなります。気の緩みや慢心から起こる確認ミスにも気付けます。加えて、単純作業による集中力や緊張感の低下も、確認するという作業を間に挟むことで防ぐことができます。

 ミスが減ることで作業の手戻りがなくなり、作業時間を短縮できるのです。

[2]効率が上がる
 複雑な仕事ほどチェックリストを使うことで早く終わらせることができます。作業の手順を迷ったり、「忘れていることはないか」と考えたりする時間を短縮できるからです。無意識に迷ったり、頭の中で確認したりする時間は意外に長いものです。チェックリストを使うことで、確認事項をすぐにチェックできます。作業の進捗状況も一目で分かり、終わった仕事を気にせずに、目の前の仕事に集中できます。

 チェックすることで、必要なことと不要なことが明確になり、惰性で行っている手順を最良な仕事の手順に組み替えることもできるのです。

[3]他の人が作業できる
 チェックリストで作業を「見える化」することで、他の人に手伝ってもらえる業務が明確になります。手伝ってもらうために細かく説明しなくても、チェックリストでプロセスやポイントが統一されていれば、作業する人が変わってもスムーズに作業を進めることができます。チェックリストがなければ、周りの人も何を手伝えばよいのか分からず、時間だけが過ぎてしまうことになりかねません。急いでいるからといって思いつきで仕事を進めてしまうと、作業の順番が無茶苦茶(むちゃくちゃ)になったり、やりかけの作業を中途半端にいったりきたりしたりします。すると、効率が落ちるだけではなく、大きなミスが発生する可能性が高まります。