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イントランスHRMソリューションズ 代表取締役 竹村孝宏氏

 仕事をスピードアップしたい。そんなときに役立つのが「仮説思考」です。仮説思考とは、手元にある限られた情報を基に「仮の結論=仮説」を設定し、その仮説に基づいて実行。続いて、その実行した結果を検証し、修正する思考方法です。

 私たちは、クルマを運転して行楽地に行きたいとき、「週末は道路が混雑しているだろう」と予想します。渋滞予想を調べたり、以前にその道路を使ったことがある人に尋ねたりして、その情報を基に、「朝、早めに出発する」とか「他のルートを探す」といった計画を立てます。私たちは日常生活の中でも仮説を立てて行動しているのです。

 変化が激しく不確実なことが多いビジネスシーンでは、1つの結論にこだわっていては融通性に欠け、変化に対応することができません。仮説を基に、状況に応じて修正しながら行動する柔軟な考え方が必要になります。また、集めた情報がすぐに陳腐化したり、情報不足になってしまったりする恐れもあります。「正しい答えが出せないから」と思考停止してしまっては、なかなか行動に移すことができません。仮説を立てて行動することにより、よりスピーディーな対応が可能になるのです。

仮説思考のプロセス

 仮説思考は、以下のようなプロセスで取り組みます。

[1]状況の分析

 状況をよく観察し、課題や問題の背景に何があるかを推定します。問題にかかわる情報を全て調査・分析することは現実的ではないので、現時点で手元にあるデータや情報を有効活用します。

[2]仮説の設定

 調査・分析結果をベースに「仮の結論=仮説」を設定します。仮説とは、入手できる情報や知識から導き出された、確実とは言えないけれども、現時点でベストを尽くして導き出した結論です。設定する際のポイントは「裏づけに即した仮説かどうか」であり、情報から何が言えるのか、「So What?」を問い続けることで明らかにしていきます。

[3]仮説の実行

 仮説に基づいて、課題解決のための計画を立案します。仮説を実行することにより状況が改善するのであれば、すぐに実行に移すべきです。

[4]仮説の検証

 実行した結果と仮説を比較し、仮説が正しいかどうかを検証します。検証とは、仮説の精度を高めるために必要なデータや情報を入手して、仮説の妥当性をチェックすることです。

[5]仮説の修正

 仮説が正しかった場合は、そのまま計画を進めていきます。仮説が間違っていれば、[2]仮説の設定に戻り、修正して検証を繰り返します。

 以上のプロセスを進める上でのポイントは、仮説の検証と修正をしっかり行うことです。仮説が全くの的外れである可能性もあるので、検証するときは第三者の視点で妥当性のチェックをしましょう。