竹村孝宏氏
イントランスHRMソリューションズ 代表取締役

 いつもあらゆる選択肢を考えて最善策を目指す。ちょっとした間違いでも、直さずにはいられない。自分の短所や悪いところを直そうと常に努力している。自分の意見を曲げずに周りと衝突することがある。他人の欠点やいい加減さがよく目に付く──。

 あなたにも、思い当たることがありませんか?

 常に向上心を持ち、できる限り良い結果を出そうと努力することは、自分自身を成長させるためにとても大切です。しかし、何事にも妥協を許さず、完璧を求め過ぎるとマイナスな面も出てきます。

 例えば、自分の仕事を完璧にこなそうとして長時間の残業をしたり、仕事を家に持ち帰ったりする行動につながります。さらに、完璧にできない自分にいら立ち、ストレスを溜めこんでしまうこともあります。また、完璧主義の人は、自分以外の他人にも完璧を求めてしまいがちです。そのために、部下へのパワハラ(パワーハラスメント)となったり、職場の人間関係が壊れてしまったりします。

 幼少期に、親からいつも失敗について怒られたり厳しく教育されたりしていると、完璧主義になりやすいと言われています。いつも怒られていると、自分に自信を持つことができなくなります。そうすると、どうしても結果にこだわるようになってしまい、結果を出すことによって自分の価値を確認しようとします。すると、些細(ささい)なミスも許せずに物事を完璧にこなそうとするようになります。

 人間である以上、完璧に行動するのは不可能です。自分の理想通りの結果を出せないと自信を失ってしまいます。その自信を取り戻すために、さらに完璧主義になっていくのです。

完璧主義の特徴とは

 完璧主義の人には次のような特徴があります。

[1]常に100点満点を目指す

 完璧を求めることは、いつも100点満点を目指すことです。小さな失敗でも許すことができなくなってしまい、「100点じゃなければ0点と同じだ」といった極端な考え方になりがちです。完璧なものを求めすぎて、行動を起こすまでに時間がかかり過ぎたり、考え過ぎてしまったりします。

 また、途中まで完璧に遂行しているにもかかわらず、1つの失敗があっただけで、やる気を失ってしまうこともあります。そのまま続ければ十分合格ラインなのに、「もうダメだ」と思ってしまうのです。

[2]相手にも完璧さを求める

 完璧主義の人は、自分だけではなく相手にも完璧さを求めます。部下や同僚に対しても、「完璧であるべき」だと考えてしまうのです。相手に対して、「自分はこんなに頑張っているのになぜ同じようにやらないのか」と怒りを覚えることも少なくありません。

 自分のやり方が正しいと思っているので、他人のやり方を否定することもあります。自分の考えを他人に押し付けしまうと、周りの人と衝突してしまいます。そうすると自分の周りから人が離れていき、孤立してしまうことにもなりかねません。

[3]いつも全力で頑張るべきだと考える

 まじめで責任感が強いために、何事に対しても全力で取り組もうとします。悪いことではないのですが、融通が利かない部分があると問題です。

 少し手を抜いてもよいところでも全力で頑張ってしまうので、いつも肩に力が入って、ピリピリした感じになります。周囲にやりづらい雰囲気を与えて職場の雰囲気を壊してしまうことがあります。