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高安 篤史=コンサランス、サートプロIoT技術講師、中小企業診断士

 前回は、マイケルポーターによる「IoT(Internet of Things)コンセプトの10のポイント」について取り上げました。今回は、「IoTのビジネス設計(ビジネスモデル作成)の段階(ステップ)」について説明したいと思います。

 IoTには、ビジネス的な価値を考える上での進化として、「ステップ①〜④」の4段階があります。これらを分けて考えることで価値とコンセプトを整理でき、ユーザー視点のビジネスモデルを作成できます。

 IoTビジネスを検討している企業の特徴として、思いつきに近いようなアイデアから一気にステップ④に進んでしまい、実現性に乏しい非現実的な計画になってしまうことがあります。ステップごとにどのようなビジネスが考えられるか、順を追って検討することにより、長期的かつ現実的なIoTビジネスの展開が可能になります。また、これらの段階は、それぞれの企業のIoTビジネスにおける進化とも言えます。

IoTビジネスの4ステップ

ステップ①

 IoTのビジネス設計におけるステップ①の目的は、データ活用によるコスト削減や生産性向上、業務効率化、不良率(工場内、市場)低減です(図1)。具体的には、[1]生産設備などの社内のシステムが連動し、情報の一元管理によって生産性が高める、[2]顧客の利用方法から検査方法を改善し、品質の向上を図る(製品やサービスに直接的な変更がないため、ステップ①に分類します)、といった具合です。ステップ①のポイントは、製品やサービスに直接的な変更がない段階であることです。

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図1●IoTのビジネス設計のステップ①

ステップ②

 IoTのビジネス設計におけるステップ②の目的は、顧客へ提供する製品やサービスの改良です。具体的には、次のようなものが考えられます(図2)。[1]顧客の利用方法から部品などの寿命を予測し、交換時期などを顧客へ通知することで顧客のサービスの継続を図る、[2]ジェットエンジンのセンシングよって故障を事前予知する、といったものです。ステップ②のポイントは、既存の製品やサービスの改良が実施されることです。

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図2●IoTのビジネス設計のステップ②