今の設計開発部門は多くの仕事を抱えている上に、働き方改革により効率化まで検討しなければならなくなっています。同部門に属するメンバー(設計者)の多くは疲弊しているというのが現実です。

 私はさまざまな企業を支援しているのですが、プロジェクトに出席する設計者の顔に明らかな疲れが見られるケースが増えています(そんな状況で課題を出すのは心苦しいというのが本音です)。この状況を打開すべく、設計者の負荷を少しでも軽くしなければなりません。

 設計開発部門が抱えている業務の中で、本当に設計者が実施しなければならない内容はどれくらいあるのでしょうか。さまざまなドキュメント作りはもちろん、取扱説明書や検査項目書、顧客とのやり取りなど、多くの業務を設計者がこなしています。しかし、それらは本当に設計開発部門が実施すべきことなのかを今一度明確にする必要があるでしょう。

「業務ばらし」で改善を進める

 例えば、取扱説明書です。取扱説明書には、さまざまな製品の機能や性能に関することが記載されています。しかし、記載内容は、設計前に作成する仕様書に記載されている内容です。ある程度製品の内容を知っていれば、作成することが可能です。ということは、設計者が作成しなくても、他の部門でも作成できるということです。

 例えば、サービス部門が作成し、その内容で問題ないかを設計部門が確認するといった仕組みです。実際、多くの自動車メーカーでそうした役割分担になっており、設計者しか知り得ない詳細な製品内容のみを設計者が確認しています。もちろん、他の部門は忙しくないというわけではありませんが、現状は、あまりにも設計開発部門に負荷が集中しすぎています。

 私が、改善を進める場合、まずは設計開発部門が抱えている業務内容を明確にします。この作業を私は「業務ばらし」と呼んでいます。業務ばらしを実施した上で、1つひとつの業務内容に対し、作成の役割分担を再度振り分けていきます。意外に役割分担が決まっておらず、できる人が実施するというような決め方の業務が多いのです。その決め方では、できる人や知識がある人、つまり、情報を有している部門に負荷が集中します。「業務ばらし」を実施するだけでも、業務の「視える化」につながり、ムダな仕事を省くことにもつながるので、実践してみてください。

 ただし、設計者の負荷を減らすだけで、設計開発部門が明るくはつらつと仕事ができるかというと、そう簡単ではありません。今まで染みついた風土はなかなか改革できないのです。それでも、風土を改革しなければ、本当の改善は進みません。当たり前のことを継続的に行えて、利益を確保するための企業風土をつくるには2つの要素があります。[1]問題解決方法と[2]継続性です。

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(作成:日経 xTECH)

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