中山聡史
A&Mコンサルト 経営コンサルタント

 「今後、システム製品を開発しなければなりません。ところが、うちの会社はハードウエア設計者が多く、ソフトウエアが苦手という人が多くて困っています。ソフトウエアに対する苦手意識を少しでもなくす手立てはありませんか?」

 先日、クライアントからこんな相談を受けました。IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)が叫ばれる中、それらに対応したシステム製品の需要がますます高まっています。この悩みは、多くの製造業の設計部門が抱えているものだと思います。しかし、逆も言えます。ソフトウエア設計者の中には、ハードウエアを苦手とする人が少なくありません。図面を読めないという人も結構いるのです。

 トヨタ自動車時代、私はエンジンシステムの設計を手掛けていました。ハードウエアとソフトウエアの両方の設計が必要だったので、自ら図面を描き、プログラムも書いていました。この経験から言えることがあります。それは、最終的なアウトプットである、「顧客が満足する製品を創造すること」には変わりがないということです。違うのは、その手段がハードウエアかソフトウエア、または両方かというだけ。決して難しいことではありません。難しくないというと語弊があるかもしれませんが、一定の訓練をすれば、使いこなすことは可能です。苦手意識を持つ必要は全くありません。

 これからの時代は、ハードウエアとソフトウエアの両方を理解しており、システム製品に要求される機能や品質を実現できているか否かを考える設計者がますます必要になることは間違いありません。

システム製品における設計の課題とは

 では、システム製品にはどのような課題があるのでしょうか。

[1]ハードウエア設計者がソフトウエアの内容を理解しておらず(逆に、ソフトウエア設計者もハードウエアの構造を理解していない)、ハードウエアとソフトウエアの切り分けが十分にできていない。そのため、不具合が発生すると部品交換不要のソフトウエアに頼ってしまう。

[2]ソフトウエアが無形であるため、品質を確保できているかどうかが分からない。従って、ソフトウエア設計者だけの品質管理能力に頼っている。

[3]システム製品全体の不具合を引き起こす要因を抽出できていない。そのため、市場に出てから多くの不具合が発生している。顧客の使用環境の調査や特異な環境を考えられていない。

 こうした問題を解決するためにはシステム設計者が必要です。ハードウエアとソフトウエアの両方の課題を解決していく設計者の存在が不可欠となるのです。顧客の立場になれば、求めている機能や品質が実現できているのであれば、ハードウエアでもソフトウエアでもどちらでもよいのですから。大切なのは、顧客の要求事項を満たすべく、いかに創造するかなのです。

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