チームは1人では不可能なことを可能にする

[2]チームの必要性

 続いて、チームの必要性について考えてみたいと思います。チームが必要な理由は、1人では不可能なことが可能になるからです。

 1+1=3、いや4、いや5…といった感じで、チームは無限の可能性を秘めています。個人能力以上の力を発揮するためには、チームの定義をメンバー全員が共有し、理解することが必要です。スポーツでは、例えば陸上などの個人競技のメンバーがリレーなどのチーム種目になると目標達成に向けてチームが一丸となり、個人競技の結果以上の力を発揮できる場合があります。これと同じことが設計チームにも言えます。

 設計者が集まって衆知を集めることで、多くの難解な問題点を解決できます。そのためにはメンバー同士で問題点の本質に向き合い、かつ設計審査(DR)のような仕組みを通じて、課題解決に全員で一丸となって取り組むことが大切です。

 では、次にチームに必要なものについて考えてみましょう。

[3]チームに必要なもの

 チームに必要なものは、以下の通りです。

(1)互いを信頼し合うこと
(2)情報を共有し合うこと
(3)メンバーのミスをフォローすること
(4)メンバーの意見を集約し、目標達成に向けたプロセスを描けるリーダーがいること

 チームはメンバーが持っている知恵を出し合い、人の意見に耳を傾けて、時にはメンバーに対して疑問を投げ掛けるなど、目標達成に向かって建設的な議論をする場を設けなければなりません。チームメンバー間でいがみ合い、人の意見を聞かないなどの行為はチーム間の絆を断裂させるだけでなく、目標達成に非常に時間がかかります。

 私は仕事でさまざまな企業に行きますが、実は、チームがチームとして成立していない設計部門が数多く見られます。さらに、チームと定義していても、コミュニケーションが取れておらず、やり直しが多発している企業もあります。こうした状況を打開するためには、まずはメンバーがチームとしてまとまり、さらにDRのような仕組みを活用(本来のDRの在り方の定義が必要です)しなければなりません。

 最後に、優秀なチームや優れたチームワークをつくるための仕掛け、すなわちチームビルディングの基本について説明しましょう。

チームビルディングはリーダーの仕事

[4]チームビルディングの基本

 チームビルティングの基本は以下の6つです。

(1)リーダーが目的(目標)を設定する
(2)リーダーがメンバー各自に適した役割を決める
(3)リーダーがリーダーシップを発揮する
(4)リーダーとメンバーがPDCAサイクルを回す
(5)リーダーとメンバー、メンバー同士でコミュニケーションを行う
(6)メンバーのやる気を維持・向上させる(モチベーションマネジメント)
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 チームを形成し、メンバー同士のコミュニケーションを活発にするためには、リーダーの存在が不可欠です。皆さんがリーダーであれば、上記の6つを実行していくことで設計がより効率的に進んでいくはずです。

 今、設計部門はさまざまな効率化を求められており、より短時間で成果を出さなければなりません。そのためには、ITツールだけに頼るのではなく、チームワークが機能する“風土”を醸成していくことを、いちから考えなければならないと私は感じています。これは、今よりも高い付加価値を創造するためにも必要なことでしょう。今一度、社内の風土について設計チームで検討してみてください。