それぞれの図面に込められた目的

[1]構想図(第1、2検図)構想設計
 構想図は、設計工程の初期段階に、設計者の意図を伝えるために作成する図面です。全体の概要やレイアウト、方向性を示すもので、詳細な取り合い(部材の組み合わせ方)や情報は入っていません。この段階では入れる必要がないからです。

 自社の関連部門との設計レビューのために使用し、構造的な大きな問題点を抽出するために使います。ただし、構想図は設計の考え方を示すためのものなので、正式なアウトプットとして定めている企業は少ないと言えます。

 この時点での検図には、製品企画書や設計書、機能系統図、技術基準などのツールを使用します。図面と比較し、「性能、品質、コスト、納期」を満たす図面かをどうかを検証する必要があります。

 また、構想図を作成する段階である構想設計では、新しい設計内容に対して試作を行う場合があります。この試作はプロトとも呼ばれ、手加工や3Dプリンターなどで製作し、設計内容を検証します。検図では、こうした試作の結果の内容が反映されているかどうかについても確認する必要があります。

[2]試作図(第3検図)詳細設計
 試作図は、試作を行うために作成する図面です。試作を担当する部門や企業が製作するために必要な情報を記載します。

 記載する情報は試作の目的に合わせて選択します。構想図を元に、組立図や部品図を作成していきます。ただし、各部品に対する内容が「性能、品質、コスト、納期」を満たすことができているかどうかは検証しなければなりません。検証するためには、それぞれの部品に求められる機能や役割、性能も明確にしておく必要があります。試作するための金型にも図面が使われるため、抜き勾配などに関する内容も検証しておかなければなりません。

 この時点での検図には、機能系統図や標準図、DRBFM、目標品質表などのツールが必要です。

[3]量産図(製作図)量産設計
 量産図は、製品を製造(量産)するために作成する図面です。製造するために必要な全ての情報を記載します。量産図だけでは伝えられない詳細な情報がある場合は、さらに仕様書を作成するケースがあります。なお、量産図の中に組立図や部品図、加工図があります。

 量産図には、量産試作で確認した製品のばらつきに関する内容や、ものづくりに関する内容を反映させます。ただし、性能や品質に変化がないことが前提です。変化がある場合については、詳細設計で検討した内容を再度やり直さなければなりません。

 この時点での検図には、公差情報(ばらつきなど)や、加工情報、製造情報などが必要となります。生産設計の視点で検図を行うためです。

 このように、各図面において求められる目的が異なるので、それぞれの目的に適した検図内容をあらかじめ決めておき、それに応じたツールを使う必要があるのです。