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國井 良昌=國井技術士設計事務所 所長

 次のような質問が私の事務所に寄せられました。

【質問31】
 「國井設計塾・世界で戦える設計マネージャー養成講座(全6回)」の受講者です。第1回目のセミナーで先生は、「低コスト化ツールは(5+2)個の合計7個ある」と説明されました。その低コスト化ツールのうち、中小企業でも使えるような簡単な低コスト化ツールを教えてください。

 この質問に対する私の回答はこうです。

【回答31】
 Q(Quality:品質)、C(Cost:コスト)、D(Delivery:期日)、Pa(Patent:特許)、いわゆる、QCDPaのうち、Qの1つしかマネジメントしない日本企業の技術者が、やっとCに気配りするようになったのですね。今回はC、つまり低コスト化について解説しましょう。

 本コラムで何度か解説していますが、技術者の4科目とは「QCDPa」、技術者の主要3科目は「QCD」です。当事務所のクライアント企業で、年に何度か「低コスト化会議」が開催されます。そこではまるでうなされたかのように、以下の文言が繰り返し発せられます。

[1]QとCの最適化を狙おう!
[2]QとCのバランスがとれた設計を目指そう!
[3]QとCの両立を達成しよう!

 正直言って、筆者はうんざりしています。

QCDだけでは戦えない時代に

 隣国の巨大企業をクライアントに持つ当事務所の調査では、その企業に勤務する技術者の業務評価は、QCDPaであり、Q>C>D|Paの重し付けがされています。DとPaの間にある「|」は、Qの前でもなく、Cの前でもなく、Dの前でもない。別枠で重要という意味です。 

 繰り返しますが、これは業務評価上の重し付けです。一方、商品開発の場合は、QとCが1項目となります。日本でも若者にはなじみのある「コストパフォーマンス」、または「コスパ」。略して大文字の「CP」です。従って、従来の「技術者の4科目」は、「技術者の新3科目」となりました。つまり、CP/D/Paであり、その重し付けは、CP>D|Paとなります。

 一方、従来の「技術者の3科目」は、「技術者の新2科目」となりました。つまり、CP/Dであり、その重し付けは、CP>Dとなります。「QとCの最適化」や「QとCのバランスがとれた設計」、「QとCの両立」は、昭和初期の技術者用語。今や、隣国の巨大企業では死語です。