技術マネージメントを理解する

 次に、図2を見ながら、「技術マネジメント」を解説しましょう。技術マネジメントとは、新人からベテランに至るまでの、設計職人として必要な基礎知識です。それらの知識を自己マネジメントして業務成果を出すことを意味します。

 そのためには、品質(Q)や原価(C)や開発スピード(D)などのコンピテンシー項目と呼ばれる各種の知識が必要です。コンピテンシー項目のレベルの高さを表現するのが技術コンピテンシーであり、これが受験時代の偏差値に相当します。

図2●技術マネジメントとコンピテンシー項目
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自己の技術コンピテンシーをソフトで診断

 設計者には大切にすべき2つのものがあります。1つは、現時点における実力の把握です。偏差値という、とても便利な物差しの存在は、受験生のムダな時間を減らし、受験生を偏差値に応じた希望校へと導きます。

 新人設計者の場合も同じです。自身のコンピテンシーを把握しないまま10年、20年が過ぎると、いつのまにか、自分が1番と思うようになってきます。そして、設計法が「我流」となり、「井の中の蛙」になっていきます。ここは押さえるべきポイントです。従って、新人設計者のうちに自己の技術コンピテンシーを把握する必要があります。1年おきで十分ですから、コンピテンシー評価の更新も必要です。 

 もう1つが向上心です。受験生の場合、向上心を持つことで高めの志望校を設定することは、チャレンジ精神が豊かで頼もしいと思います。何度も浪人することなく、できれば在学中や、1年間の浪人中に達成できる難関校の偏差値を目標にできます。目標を定めるからこそ、貴重な時間を有意義に過ごせます。

 新人設計者の場合も同じことが言えます。自分が1番と思うようになり、設計法が「我流」や「井の中の蛙」に陥ると、自分が理解できない他の方法や新しい技術をけなし、排除するようになります。つまり、技術に関する向上心がなくなるのです。

 向上心は、新人設計者のうちから植え付けていかなければなりません。「自分が1番」と思った瞬間に、向上心は失せます。従って、毎年、自己のコンピテンシー評価を終えた後は、必ずコンピテンシーモデルを更新します。この行為なしに、技術者としての成長はありません。

 興味があれば、下記の國井技術士設計事務所のホームページから「技術コンピテンシー自己診断ツール」をダウンロードして、自己診断をしてみてください。

【URL】 http://a-design-office.com/somesoft.html
【ソフト名】 No.33:日経BPセミナー&コラム
【パスワード】bp_nik_mbclk

 ただし、この自己診断ツールは万能ではありません。技術者の全分野におけるコンピテンシーを分析できるわけではありません。あくまでも当事務所のノウハウツールです。まずは、「お試し」としてチャレンジしてみてください。点数が低くても、何の問題もありません。なぜなら、あなたはまだ新人設計者だからです。己(おのれ)を知り、成長するのはここからです。

技術コンピテンシー項目の内容

 お疲れさまでした。結果はいかがでしたか。繰り返しますが、点数が低くても何の問題もありません。己(おのれ)を知ることと、目標を設定することが重要です。技術コンピテンシー自己診断ツール、興味はあるのでとりあえずやってみたけど、どんな内容の診断だったのだろうかと思いませんでしたか。自己診断ツールにおける「コンピテンシー項目」の内容は何かと言えば、それは図3の各項目です。

図3●技術コンピテンシー項目の内容
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 次回は、自己判断テストの結果を詳しく分析してみましょう。お楽しみに。