古谷 賢一
ジェムコ日本経営 本部長コンサルタント、MBA(経営学修士)

 「一億総活躍社会」の実現を目指し、働く人の立場や視点で仕事に取り組む 「働き方改革」が叫ばれている。これにより、工場では残業も休日出勤も難しくなった。加えて、ものづくりの生産現場では人材不足が深刻だ。そのため、生産現場の「生産性」をこれまで以上に高める方向にならざるを得ない。

 「改善活動って結局、『もっと早く仕事をしろ。もっとたくさん仕事をしろ』ってことだろう? 改善活動を頑張っても、我々の負担は増えるだけだ」。生産現場ではこうした声をよく耳にする。実際、生産現場の負担を軽減するための改善活動が、生産現場の協力を得られずに進まないケースが増えている。

強い工場づくりのポイント

 強い工場は、生産現場の負担を増やしてまで生産性の改善活動を行おうとは考えない。生産現場の負担が増えるとさまざまな問題が生じると分かっているからだ。確かに、生産現場の尻を叩いて作業時間を短くすれば生産性は高まる。だが、その半面、過度な負担を強いることで品質問題や安全問題が生じる可能性がある。さらに深刻なのは、生産現場が改善活動に否定的な感情を持ってしまう危険性があることだ。

 例えば、次工程にものを動かすことを考えてみよう。何十mも動かすよりも、数mしか動かさない方が楽で時間もかからない。その場ですぐに次工程を開始できれば、そもそも動かす必要すらない。こうしたことを追究することで生産性を改善する取り組みが、ムダやロスの削減だ。これはまさに、作業する人がより楽に作業できることに他ならない。強い工場はこうした生産性改善の基本を忘れずに改善を地道に追究しているのだ。

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