今年(2019年)のノーベル化学賞に旭化成名誉フェローの吉野彰氏らが選ばれた。吉野氏は企業での仕事の成果が受賞に結び付いた。親しみを感じた人も少なくないはずだ。

 世界に先駆けることは素晴らしい。このコラムは「世界No.1製品」の開発設計について取り上げている。ノーベル賞とは比べようもないが、世界に先駆けてダントツの性能やダントツのコストを実現すれば、開発した職場にとってはノーベル賞ものだ。今回の受賞の報に接し、製造業に従事する人には世界No.1製品を目指して取り組んでほしいと改めて思う。

 ここで、世界No.1製品を目指す人々へエールを送りたい(以下をぜひ、声を出しながら読んでほしい)。

 ものづくりは自分の思いをもので表現し、お客様の笑顔を実現する。やりがいのいっぱい詰まった世界だ。だが、楽ではない。同じ汗をかくなら、世界No.1を目指そうではないか。そうすれば、その取り組みの素晴らしさを実感できる。

 設計者に伝えたい。

 設計者は、世界No.1を目指して取り組める立ち位置にいる。皆さんの思いこそが、世界No.1の製品になるかどうかの鍵だ。「世界No.1を目指そう」と思うこと、それがスタートラインを切ることだ。逆に、設計者がそのように思わなければ、世界No.1は地平線の彼方(かなた)に遠のいていく。

 世界No.1は大げさなことではない。身近な取り組みだ。コイン1、2枚のコストでできる、部品点数が少ない簡単な技術から成る製品でも世界No.1を狙える。

 担当している製品を世界No.1にするという思いを持って見てほしい。きっとものはあなたに語り掛ける。世界No.1の切り口を。

 世界No.1を目指しても、達成できるとは限らない。しかし、たとえ達成できなくとも落胆することはない。そのチャレンジは次の取り組みの糧になる。それはあなた自身、および職場を成長させるのだ。そして、次の世界No.1を狙う取り組みを成功させる原動力になる。

 繰り返すが、世界No.1は設計者の思いで決まる。

 なぜ世界No.1を狙うのか。「そこに世界No.1があるから」である。これが設計者というものだ。

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