ワールドテック 代表取締役、元デンソー設計開発者 寺倉 修 氏

 このコラムは、「世界No.1製品」の達成について取り上げている。世界No.1とは「Q(品質)」「C(コスト)」「D(納期、開発期間)」の少なくともいずれか1つが「ダントツ」であることだ。第39回のコラムでダントツのDへの取り組みを紹介した。今回は「C」を取り上げ、ダントツのCは皆さんの身近にあることを伝えたい。

 それは、コイン1、2枚で済む安価でシンプルな製品でも、Cを1/2に削減できるという事例である。

 デンソー時代に、私はエンジンへの吸入空気の温度を測定する吸気温センサーの開発を担当したことがある。このセンサーの取り組みは本コラムで断片的に取り上げてきたが、ここでまとめて紹介しよう。

 当時、吸気温センサーは世界で複数の会社が生産していた。市場のすみ分けがあり、デンソーの生産量は安定していた。ところが、1990年代に入ると円高が急速に進み、価格破壊が起きた。海外メーカーが安値攻勢を仕掛けてきたのだ。クルマの生産台数の増加とともに、吸気温センサーの需要は右肩上がりが見込まれていた。にもかかわらず、この価格破壊の影響を受けて社内では撤退が議論された。これに対し、私は成り行きに任せるのではなく、この窮状を乗り切るべくダントツのCを掲げて開発をスタートさせた。その活動プロセスは次の通りだった。

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