西村 仁
ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント

 加工方法を知らずに、ものづくりはできません。今回から数回にわたり、機械加工について紹介したいと思います。

 材料を削ったり、金型で打ち抜いたりといった機械加工の知識は、ものづくりの基本知識として大切な要素です。どの加工方法で形を作るのかを決めるのは開発設計者です。加工方法を知らなければ図面を描くことはできません。また、図面を見て加工先を決める資材購買部門や生産管理部門、顧客と接する営業部門など、どの部門であっても、加工の知識を身に付けておくことは大きな武器になります。ただし、工具の回転数や切り込み量、送り速度といった「加工条件」は高度な専門技術になるので、プロの加工者に任せればよいため、基礎知識としてはそれほど必要ではありません。

 では、加工の作業内容から見ていきましょう。加工作業を分解すると「事前準備」→「加工」→「測定」→「後片付け」となります。事前準備では図面を読み取り、どの工作機械を使うのか、どの工具を使うのか、どの手順で加工するかを検討して、必要であれば加工治具(治具)を製作します。治具とは材料の位置を決めて固定するための器具です。

 次に「材料取り」と言って、購入した定尺寸法の材料から削り代(しろ)を考慮し、外形寸法よりも少し大きめに切断します。切断した材料は工作機械にセットし、原点合わせを行います。これらの作業を「段取り作業」と言います。こうしてようやく工作機械のスタートボタンを押して加工を行います。加工が終われば加工者自身が測定を行い、結果を記録します。最後の後片付けでは、清掃や切粉の処理を行います。金属の切粉は売却できるので、材料の種類ごとに分けて収集します。このように、加工は多くの作業を必要とします。

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