西村 仁=ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント

 前回は、鉄鋼材料を大きく3つに分類した[1]炭素鋼、[2]合金鋼、[3]鋳鉄の中で、汎用性の高い[1]の炭素鋼を取り上げました。その上で、SPC材(冷間圧延鋼板)とSS材(一般構造用圧延鋼材)を紹介しました。今回は引き続き炭素鋼の中から、S-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)とSK材(炭素工具鋼鋼材)の2つを紹介します。

 鉄鋼材料の性質を最もコントロールしているのは炭素の含有量です。ざっくり見るとSPC材が0.1%以下、SS材が0.1~0.3%、S-C材が0.1~0.6%、SK材は0.6~1.5%の炭素を含有しています。S-C材はSS材よりも含有量が多いので、SS材よりも硬い材料になります。

 和名が「機械構造用炭素鋼鋼材」とあるように、主に構造部品として使用されています。SとCの間の2桁の数字は炭素の含有量を100倍したものです。例えば、炭素含有量が0.45%の場合は、S45Cと表します。

 前回紹介したSS材は含有成分に関してJIS規格の制約はありません。SS400の400は引張り強さ(N/mm2)を表しているので、どの成分を入れてもよいから、この引張り強さを保証しなさいという規格です。

 これに対し、S-C材は成分がしっかり規定されています。すなわちSS材よりもS-C材の方が少し高級品ということになり、実際に材料価格はS-C材の方が1割ほど高めです。ではなぜ、材料のJIS記号にSS材は引張り強さを使って表し、S-C材は炭素の含有量を使って表しているのでしょうか。その理由は焼入れ・焼戻し処理にあります。

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