“究極の”IoTは、政府機関や地方自治体における行政サービスとして利活用するのが、最もふさわしいのではないでしょうか。私は最近、こう考えています。ある北欧の小国が、行政サービスのほとんどをインターネット上で提供するようになったと聞きました。そこで、なるほど、行政サービスこそIoTの最適な使い方だと思ったことがきっかけです。

 そして、それは北欧の国だけではなく、我が国・日本においても同じこと。複雑な行政手続きや登録、許認可といった役所とのやりとりを、インターネットを介してサクサクと済ませられるようになれば、市民も事業者も公務員も、面倒な手続きが簡素化されて効率は大いに向上します。

役所に来てもらわなくてもサービスを提供できる

 現在は役所に出向かないとできないこと、例えば住民基本台帳への登録を、本人認定や住居の位置情報などをIoT化して自動的に行うことは、技術的には何の問題もありません。

 第一、高齢化社会なのですから、動けなくなった方に「役所まで来い」と言うのはいかがなものでしょう。もっと言えば、市民の住居をIoT化すれば、役所まで来てもらわなくても様々な行政サービスをオンデマンドで提供できるようになるのです。例えば家に様々なセンサーを取り付けて、そこに住んでいる人の健康状態を見て必要なときに医療機関を紹介するといったことも簡単にできます。

 もちろんプライバシーの保護や個人情報を悪用されないようにするのは当然ですが、自分では判断ができなくなってしまった認知症の人や、意識が薄れてしまった患者さんの見守りなどを考えると、積極的に進めないといけないと考えます。

 最近、街のあちこちに設置された防犯カメラが事件の捜査や立件に役立ったという話をよく聞きますが、言い換えれば、カメラは市民の生活を見守っているということです。このカメラの利用範囲をさらに広げて、認知症の人が徘徊しているのを検知できるようにすれば、保護者に自動的に通報することも可能です。

 このようなシステムはむしろ、これからの行政サービスの一つとして当たり前になるのではないでしょうか。

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