ヒトのIoTを一口で言うなら、「あらゆる人がインターネットでつながれて、いつでもどこでも誰でもその行動が分かること」となります。

 例えば、Aさんが休日に地下鉄に乗る際、コンピューターはAさんのこれまでの行動履歴から「休日のこの時間、このような天気なら、Aさんはどこに行くだろうか」を一瞬のうちに判断し、行く先々の候補をAさんに羅列提示します。さらに、Aさんが行く先を選択すると、そこでの段取りまでもコンピューターが瞬時に済ませてくれます。Aさんは行く先の指示をスマートフォン(スマホ)で行いました。その際、周囲に人もいたので音声認識ではなく、パネルに軽くタッチする方法を選びました。

 つまり、Aさんは行く先でのさまざまな準備を、無言のうちに済ませてしまったわけです。

 さて、Aさんは目的地の飲食店に到着しました。案内されたテーブルに着くと、何も言わずとも先ほど選択していたメニューが間もなく運ばれてきました。食事を終え、これまた無言でスマホによって決済を済ませて店を出ますと、予約していたタクシーのお迎えがあり、Aさんは次なる目的地の映画館に向かいました――。

 そうです、ヒトのIoTとは極端に言えば、語らなくて済む世の中をつくるのです。

 個人的には、これはあまり好ましいこととは思いませんが、話すことができない人はもちろん、しゃべるのが面倒くさい人、口ベタな人、人間関係が煩わしい人にとっても、このシステムは大変に便利でうれしいものでしょう。

 さらにヒトのIoTがAIによってどんどん進化していくと、ヒトの行動の全てはコンピューターに“お見通し”になります。

 そのときにAさんのある日は、このようになるでしょう。

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