小手先のテクニックよりも、まずは部下の気持ちに“寄り添う”ことが大切

 “3つの失敗パターン”に全て共通しているのですが、分かりやすいので3つめの失敗パターンを例に説明しましょう。

 まず、これらの“3つの失敗パターン”は避けていただきたいのですが、これらを避けて適切な“質問”ができるようになったとしても、おそらくあなたのコーチングは“空回り”で終わってしまうでしょう。なぜなら、部下の“迷っている気持ち”に寄り添っていないからです。

 例えば、先の“失敗パターン3”をもう一度見てください。部下は”A案”と”B案”で悩みに悩み、上司であるあなたのところに相談に来たのであるにもかかわらず、すぐに「今回の場合はA案 にしよう!」と答えを示した。このように、上司がすぐに解決策を示してしまったら、部下は、

”こんなに迷っていた自分ってダメな人間なのかもしれない”

 と自信を無くしてしまうかもしれません。実は、この積み重ねで部下はどんどん自信を無くしていたりするのです。

 人間は、誰もが“共感してほしい”という欲求を持っています。なぜ“共感”が大事かというと、共感をするというのは相手に安心感を与える行為そのものだからです。では、今回のケースでは、どのようにして“共感”を示せばよいのでしょうか。

 もし、このような場面に出くわしたら、部下にたった“ひとこと”、次のような言葉を述べてあげてください。それは、

“確かに迷うよね”

 です。

 たったこの“ひとこと”を先に言うだけで、部下はあなたに対して安心感を覚えるようになります。「上司は迷っている私を受け入れてくれたんだ!」と感じるわけです。

 コーチングとは、上司と部下が同じゴール(目標)を共有して、そこに力強く向かうために行うものです。そして、そこには確かな“信頼関係”がなければなりません。その信頼関係を築く上で“共感”は欠かせません。そう、コーチングは、部下の気持ちに“寄り添うこと”から始まるのです。今日から、その第一歩を踏み出してみませんか?