2018年末から低空飛行を続けていた台湾のプリント基板業界が、第3四半期(7~9月)も終わりになってようやく回復の兆しを見せてきた。9月の出荷額は前年同月比で3.3%増となり、年初からの出荷額累計も前年同期比で0.3%の増加に転じた。この勢いが第4四半期(10~12月)も維持されれば通期でプラス成長となるだろうが、まだまだ油断はできない。2018年は第4四半期に総崩れになったのだから。

 現在のところ、セットメーカーの生産は当初の予定に近く、順調に推移している。しかし、別に不安要因もある。それは、台湾のプリント基板材料メーカー、製造設備メーカーの出荷が、依然として低迷しており、前年比でマイナス成長が続いていることである。これは、プリント基板メーカーが今後の需要について楽観視しておらず、生産を絞っていることを示している。回復の兆しといってもV字回復ではなく穏やかなものであるため、おのずと先行投資も慎重にならざるを得ないのだろう。

 台湾のプリント基板産業の動向は、世界の民生用エレクトロニクス産業の景気を予測する上での先行指標となっている。台湾プリント基板の生産金額の推移を振り返ると、1年前から続く今回のエレクトロニクス産業の低迷についても、いち早くその兆候を示していたことが見て取れる(図1)。

図1 台湾プリント基板の生産金額(台湾の上場メーカーの売上高)
台湾電路板協会(TPCA)の統計資料を基にDKNリサーチが作成。
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 グラフの読み方にはコツがあり、季節変動を押さえておく必要がある。台湾の民生用エレクトロニクス製品の出荷は、毎年上半期はゆっくり立ち上がるが、下半期は欧米のクリスマス商戦へ向けて連続的に増大していく。なお、毎年2月に大きく下落しているのは旧正月休暇での減産によるものである。台湾のプリント基板産業は、このようなサイクルを毎年繰り返しながら、成長を続けてきた。

 ところが2018年下半期は、例年と様子が違っていた。第3四半期までは順調な成長を遂げているかのように見えていたが、第4四半期に入ると成長が止まってしまい、12月には大きく下落した。どう見てもこれは異常事態だった。そして1年後の現在、台湾プリント基板メーカーが生産を絞り、投資にも慎重な姿勢を崩さない大きな原因になっている。

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