その昔、「米国の経済がくしゃみをすると、日本の経済は肺炎になる」と言われたものでした。それを現代では、「台湾のエレクトロニクス産業がくしゃみをすると、中国と日本のエレクトロニクス産業は肺炎になる」と言い換えなければならなくなっています。

 2018年12月における台湾のプリント基板業界の出荷額は、予想を大きく超える減少となっています。12月における台湾のプリント基板上場メーカーの売上高は491億台湾ドル(約1740億円)で、前月から21%の減少です。前年同月比では、19%の減少になります。

 これまで、台湾プリント基板メーカーの出荷ピークは11~12月で、新年の1月は減少に向かい、2月は旧正月のために、一時的に停滞するというパターンを繰り返してきました。こうして、毎年市場は着実に成長、拡大を続けてきました。ところが、18年の場合、ピークは10月で、11月には減少に転じ、前年比の成長率はほぼゼロの水準にまで下がってしまいました。そして12月は、さらなる大幅の下落に至ったわけです()。

図 台湾プリント基板の生産金額(台湾の上場メーカーの売上高)
(出所:台湾電路板協会(TPCA)の統計資料を基にDKNリサーチが作成)
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 今回の下落は、特にフレキシブル基板メーカーに大きく影響が出ています。リジッド(硬質)基板メーカーの出荷額は前年同月比8%の減少で、1桁のマイナスにとどまっているのに対して、フレキシブル基板メーカーのそれは38.5%のマイナスと、目を覆いたくなるような数字です。個別のメーカーを見ると、最大手のジェン・ディン・テクノロジー・ホールディング(Zhen Ding Technology Holding、臻鼎科技控股)が41%のマイナス、2番手のフレキシウム・インターコネクト(Flexium Interconnect、台郡科技)が44.7%のマイナスと、惨憺(さんたん)たる状況です。

 今回の急落に至った要因としては、米アップルの「iPhone」の生産計画が下方修正されたことが挙げられます。18年9月にiPhoneの新モデルが発表された時に、その販売価格の高さが懸念されていました。最近、世界のスマートフォン市場は飽和状態に近くなっており、18年は良くて前年並み、悪ければマイナス成長となることが予想されていました。従って、部品メーカーはそれなりの準備をしていたと考えられますが、下落幅は予想をかなり超えるものだったようです。

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