「第11回 国際カーエレクトロニクス技術展」が、2019年1月16~18日に東京ビッグサイトで開催された。自動車関連の併設展も含めた中から、筆者が注目した展示を順次報告するシリーズ。第3回は、住友ベークライトの車載関連の光学シートを紹介する。赤外線カメラの視認性を向上する特定波長吸収シートと、車載ディスプレーの性能を引き上げる異方性拡散シートを取り上げる。

ADASを支える

 特定波長吸収シートは、外光ノイズを遮蔽して、必要な光のみ透過させることができるものである(図1)。可視域の透過率は0.1%以下で、赤外領域の透過率は89%である。シートA、シートBおよびシートCのように光学特性は自由に設計できる。

図1 光学特性
(出所:住友ベークライトの資料)

 具体的な応用としては、赤外線カメラの視認性向上を想定している。ADAS(先進運転支援システム)を支える技術として、有用な技術と言える。

 このシートを開発するためのコア技術は、以下の3つである(図2)。

図2 コア技術
(出所:住友ベークライトの資料)
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  • (1)コンパウンディング
  •   A、B、Cの各材料を均一に分散する
  • (2)シーディング
  •   分子配向制御、位相差制御および偏光特性付与
  • (3)コーティング
  •   表面機能付与、機能複合化

 光学特性の制御で中心的な役割を果たしているのはコンパウンド技術である。偏光サングラスの技術を応用している。例えば、赤色が見えにくい人に向けて、赤信号がはっきり見えるサングラスが開発されているが、これをカメラ用に応用した技術である。波長を制御する。

 同シートはカスタマイズ可能であり、シートの厚みや光学特性については開発時に目標値をユーザーと共に作り上げるという。現状は厚み1mm前後を中心に提案しているとのことである。

 3D成形も可能で、熱曲げおよびインサートなどにも対応する(図3)。耐久性評価の結果を図4に示す。評価項目は、耐熱性(105℃、1000時間)、耐湿性(85℃/85%、1000時間)および冷熱衝撃性(-40℃~+105℃、1000サイクル)の試験後、光学変化はない。

図3 3D成形が可能
(出所:住友ベークライトの資料)
図4 耐久性
(出所:住友ベークライトの資料)

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