会計視点で見る話題の業界動向
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ゴーン元会長人事で明らかになった、日産ガバナンス改革の課題
日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたことを理由に、会長を解任された。それから1カ月以上経った現在においても、まだ後任の会長が決まらない。しかし、それ以前に、日産自動車はなぜそんなに会長職にこだわるのか。それを理解するには、そもそも株式会社において会長職とは何な…
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衝撃のゴーン氏逮捕、問われる日産取締役の責任
日産自動車のカルロス・ゴーン氏が逮捕された。羽田に降り立った直後のプライベートジェットに東京地検特捜部が乗り込んでの逮捕劇は、映画のワンシーンのような衝撃的な映像だった。しかし、そのようなドラマチックな逮捕劇には違和感を覚える。それ以前に取り得る方法があったし、取るべきでもあったからだ。それをやら…
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適用始まるIFRSの新リース会計基準、企業業績の見え方に影響
国際会計基準(IFRS)において、2019年1月に新しいリース会計基準の適用が始まる。IFRSを任意適用している企業は財務諸表が大きく変わり、企業の業績も大きく違って見える可能性がある。IFRSの新基準を受けて、日本基準も変更される可能性がある。もし日本基準のリース会計基準に同様の改正がなされたら…
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IFRSがのれんを償却対象へ、そのインパクトを考える
2018年9月14日付日本経済新聞によると、国際会計基準(IFRS)を策定する国際会計基準審議会(IASB)が、のれんを償却対象にする検討を始めたそうだ。IASBのハンス・フーガーホースト議長が日本経済新聞の取材で明らかにした。2021年にも結論を出すとのことだ。
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富士通の四半期利益を押し上げたリスク分担型企業年金
富士通の2018年度第1四半期(2018年4~6月期)の業績が好調と報道されている。2018年8月21日付日本経済新聞は、通期見通しに対する当期純利益の進捗率をランキングしているが、富士通は66.1%で堂々の3位になっている。2018年度(2018年4月~2019年3月)の最初の3カ月だけで、1年…
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同じ監査法人が東芝に2つの異なる監査意見を出した特殊事情
2018年3月期の東芝に対して、異なる監査意見の監査報告書が2つ出された。1つは、株主総会の資料に添付された監査報告書で、こちらの監査意見は「無限定適正意見」。もう1つは有価証券報告書に付された監査報告書で、こちらは「限定付適正意見」だ。監査を担当したのは、いずれもPwCあらた監査法人である。つま…
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売上増で復活したシャープ、残る懸念は研究開発費の減少傾向
シャープの業績が急回復している。同社は2015年3月期から2期連続で2000億円以上の最終赤字を出し、わずか2年前の2016年3月期には債務超過にまでなった。その後、台湾・鴻海精密工業から出資を仰ぎ、その子会社となることで業績を急回復させている。
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新しい売上高計上基準で注意すべき7つのポイント
履行義務の識別、総額計上の要件など
企業会計基準委員会は2018年3月30日、新しい売上高計上基準を公表した。本会計基準については、この連載でも公開草案段階で既に取り上げている。今回はその確定版ということになる。今回公表されたのは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)と「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計…
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子会社4割削減を目指す日立が解決したい財務的課題
2018年4月14日付日本経済新聞によると、日立製作所は2021年度をめどにグループ会社の数を4割減らすようである。記事には「800社を超える傘下会社を統合、清算するなどし、500社程度にする」とある。
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会計基準で変わる採算性指標、キリンとアサヒで検証してみた
キリンHDアサヒグループHDの国内酒類事業の採算性が改善しているらしい。その根拠として使われているのは売上高事業利益率である。2018年3月15日付日本経済新聞によると、2016年12月期以降の売上高事業利益率は両社とも伸びており、2018年12月期には両社とも20%を超える見通しだという。
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キリンとアサヒの決算発表にあった“事業利益”の意外な正体
大手ビール会社の決算発表があった2018年2月16日、テレビでは大手各社の業績が好調であることを伝えるニュースが流れていた。アナウンサーは各社の営業利益を比較していたが、キリンホールディングスとアサヒグループホールディングスについては営業利益ではなく「事業利益」という言い方をしていた。