個性的なスタイルを貫き、熱烈なファンを持つ自動車ブランド、英ジャガー・ランドローバー(JLR)。英中部ウルバーハンプトンにあるそのエンジン工場の拡張工事が、2017年4月に完成した。片流れの屋根が連続し、のこぎりの歯の形に似た外観が特徴だ。

サスティナブルな工場を意識した、JLRのエンジン工場。英国の環境性能評価制度であるBREEAMで、「エクセレント」認証を受けている(写真:© Jaguar Land Rover)
[画像のクリックで拡大表示]
屋根形状に合わせて、壁面のパネルの色を変え、分棟されているように見えるのが面白い。下部のガラスと相まって、軽さとリズム感が生まれている(写真:© Simon Kennedy)
[画像のクリックで拡大表示]

 こののこぎり屋根は、工場建築によく適用される形態だ。頂側窓を北向きに設置することで、直射日光をほとんど入れずにグレア(まぶしさ)の少ない安定した光環境をつくり出せる――。建築計画の教科書にも出てくるそんな記述を思い出す方もいるかもしれない。

 JLRの工場計画に当たり、アラップの設計チームは、産業用施設の設計経験を生かし、伝統的な工場形態を再解釈することから始めた。

 工場内のレイアウトは、エンジン製造の工程を理解し、設備、従業員、材料、廃棄物などの適切な配置を検討。将来の拡張性も考慮した上で、機器ホールと組み立てホールから成る広い工場エリアと、小さな2層の従業員サポート施設を組み合わせた。

アラップは発注者であるJLRとともに、効率と将来の変更対応を重視して、全体の配置を決めていった(資料:©Arup)
[画像のクリックで拡大表示]