パナソニックが有機EL技術でファンデの重ね塗りを再現、コーセー直営店で提供

デジタルミラーの非接触センシングデータを活用

2020/01/16 05:00
宇野 麻由子=日経BP 総合研究所

 パナソニックは、化粧品メーカーのコーセーと組んで美容分野の技術開発を強化する。パナソニックがコーセーの直営店「Maison KOSE(メゾンコーセー)」に、デジタルミラー「Snow Beauty Mirror」とシート状メーク材「カスタマイズシート(仮称)」を提供する。前者は、肌分析や顧客が理想とする顔を「見える化」する機能などを備えたもの。後者は、分析した結果から作製する、シミなどを隠すもの。現在、化粧品業界では「パーソナライゼーション」がブームとなっており、このブームを捉えるべく両社はデジタル技術やデータ活用に向けて実証実験を行う。

コーセーの直営店「Maison KOSE」に設置されたパナソニックのデジタルミラー「Snow Beauty Mirror」
肌分析を行う「Skincare」コースと、理想顔を探って適する化粧品を提案する「Basemake」がある。(撮影:日経クロステック)
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 パナソニックはヘアドライヤーの高価格化をけん引した人気製品「ナノケア」シリーズなどの美容家電を扱う他、化粧品業界向けの技術開発にも積極的だ。2016年開催の「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4~7日、会場は幕張メッセ)で同社は既にデジタルミラーとシート状メイク材を披露しており、今回の製品はいわばその実証実験版に当たる(関連記事「印刷して肌に貼る、オーダーメードのシミ隠しシート」「似合うメイクをデジタルでお試し、パナの化粧ツール」)。シート状メイク材の一般消費者への提供は今回が初となる。

 Snow Beauty Mirrorの肌分析機能では、2種類のLEDライティングによる反射・吸収により、肌状態を非接触でセンシング。シミやシワ、ほうれい線、毛穴、肌色といった肌表面の情報に加えて、肌表面には出ていない潜在的なシミ(隠れシミ)を検出する。

毛穴を評価
モデルでのデモ。撮影画像に重ねて毛穴を紫色で表示している。改善に向けて適する化粧品を提示する機能も盛り込んだ。(撮影:日経クロステック)
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 顧客が理想とする顔を見つける「理想顔システム」は、肌分析機能により抽出したデータをパラメーターとして調整し、約50万通りの顔画像を作成してユーザーに好みのものを選んでもらうというもの。

 具体的には、元の顔画像に対して毛穴やシミ、シワといった肌質や、肌の色味や明るさを変えた12枚の顔画像をランダムに並べて顧客に提示。顧客が選んだ好みの3枚の画像を基に、さらにパラメーター調整した画像を12枚提示するという作業を2回繰り返し、最後に12枚から選んだ「理想顔」の1枚と元画像(現状の顔)と各パラメーターの差を紹介する。さらに、この情報に基づいてスタッフが最適なファンデーションの色味や質感、スキンケア法について提案することも想定するという。

「理想顔システム」のデモ
顧客が抱く「理想顔」を直感的な操作で明らかにする。(撮影:日経クロステック)
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自分では表現できない要望が明らかに
筆者が体験した例。例えば今の肌と理想の肌を比べてどのようなファンデーションを選べばよいかが分かる。筆者の場合、色については現在使っているファンデーションの色味が好みと一致していることが分かった。シミや毛穴も「変化なし」を希望していることから、カバー力も合っているようだ。シワは「薄くする」となっているので、ハイライターやシワを改善する基礎化粧品を追加するとよいと分かる。(撮影:日経クロステック)
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 同製品の実現に向けては、パナソニックがセキュリティーカメラで培った顔認識技術や目・輪郭線の抽出技術、デジタルカメラで培った画像処理技術や合成技術、肌色補正技術などを応用しているという。また、理想顔システムは明治大学との共同研究を基に、コーセー向けにカスタマイズを施した。ミラーについて、コーセーでは今後一般の店舗への設置も検討しているという。

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