FinTechに大規模投資する企業は5社に1社で独走状態――。KPMGコンサルティング(東京・千代田)が2019年12月2日に公表した調査からこんな事実が浮き彫りになった。同社は慶応義塾大学のFinTEKセンター(Centre for Finance, Technology and Economics at Keio)と共同で調査に取り組み、金融だけでなく、非金融も含めた国内上場企業を対象に調べた。有効回答数は170件だった。

差が開く投資

 FinTechへの投資規模を見ると、投資規模に大きな隔たりがあると分かった。過去3年間の投資規模の割合は「1億円以上」が22.4%で「1億円未満」が37.6%とちょうど6割の企業が投資していた。

企業の投資規模の割合
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 今後3年間の投資計画を尋ねると投資企業の割合は61.2%と微増したが、投資金額の内訳を見ると「1億円以上」が35.9%と13.5ポイント増え、「1億円未満」は25.3%で12.3ポイント減った。投資企業はさらに投資を積み増して「独走」し、投資に関心のない企業との差は開く一方という格好だ。KPMGコンサルティングの東海林正賢フィンテック・イノベーションディレクターは「金融と非金融でくくってもこの割合は大きく変わらない」と話した。

KPMGコンサルティングの東海林正賢フィンテック・イノベーションディレクター
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 FinTechの活用で期待する事柄を複数回答で聞くと、トップは「業務効率化」で69.4%だった。2位は「新規事業の創出」で37.1%、3位は「顧客体験価値の向上」が30.0%。これも金融と非金融で分けてみても割合は大きく変わらないという。

フィンテックの活用に期待すること
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 これに対し、同社が2017年に発表したFinTech関連の海外調査では「(金融系企業中心の調査だったが)海外企業は顧客体験価値の向上や既存事業の変革を重要視していた」(東海林ディレクター)。IT投資の効果を高めるには中長期的な計画が欠かせないが、「FinTechの活用及びデジタル化への中期計画やロードマップの策定をしていない」企業が65.3%に上る実態も分かった。

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