オムロンのウエアラブル血圧計、米国の発売が先行したワケ

2019/12/03 05:00
河合 基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 オムロン ヘルスケアは、血圧測定機能を備えた腕時計型のデバイス「HCR-6900T-M」を日本で2019年12月3日に発売する。常に身に着けて、いつでも血圧を測定できるようになる。価格は税別7万9800円で、医療機器として承認を得ている。既に米国では2018年12月20日に発売済みで、2019年11月18日には欧州(ドイツ、フランス、イギリス、イタリア)でも販売を開始した。

図:「HCR-6900T-M」の外観と画面表示例
(出所:オムロン ヘルスケア)
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 血圧を1日8回測定する場合、1度の充電で約2日間の利用が可能。既存の家庭用血圧計では測定しにくい、外出先などでの日中の血圧変動を把握できるようになる。日中の大きな血圧変動は、心筋梗塞や脳卒中などの脳・心血管疾患の発症リスクを高める因子になる可能性があるという。オムロン ヘルスケアは今後、医療関係機関と協力して日中の血圧変動と脳・心血管疾患発症の関係を調べ、ウエアラブル血圧計の有用性を確かめていく。

 血圧測定の他にも、血圧の変動に関連性のある運動(歩数)や睡眠時間を測定したり、服薬時間を通知したり、連動するスマートフォン(スマホ)への電話やメールの着信を通知したりする機能を備えている。測定した結果は、本体の画面に表示する他、スマホの専用アプリでも確認できる。

図:血圧を測定できる「HCR-6900T-M」の側面。血圧測定部分に腕を通した後にバンドで固定する
(写真:日経 xTECH)
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 血圧を測定する際は、HCR-6900T-Mを装着した腕を胸の前に置いて静止する。測定ボタンを押すと袋状の「カフ」が空気で膨らみ、手首の動脈を圧迫。カフ内の空気の圧力を下げていく過程で、脈波の変化から血圧を測定する。測定方法は病院や家庭の血圧計で使われている「オシロメトリック法」を採用した。

 本体の直径は約48mmで厚さは13mm、重さは約115グラムである。血圧計の機能を腕時計の大きさに収めるために、センサーや空気制御用の弁などの主要部品を独自に開発して小型化した。カフの幅も細くする必要があった。手首に装着する小型の手首式血圧計のカフの幅は50mmだが、さらに細い幅25mmを目指した。カフの幅が細いと動脈を十分に圧迫することができなくなるためカフの構造も見直し、従来は1つだったカフの数を3つに増やした。こうした技術開発によって、日本で2019年秋に医療機器としての薬事認証を取得することができた。

図:圧迫用のカフを2つ、測定用のカフを1つ備えている(写真:日経 xTECH)
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