漫画をはじめとしたインターネット上の海賊版に対処するための著作権法改正に向けた議論が再び始まった。文化庁は2019年11月27日、有識者会議「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」の第1回会合を開催した。

文化庁が2019年11月27日に開催した「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」の第1回会合
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 海賊版対策に向けた著作権法改正を巡っては、文化審議会の小委員会で2018年末から2019年初頭にかけてダウンロード違法化が一度議論され、文化庁は2019年の通常国会へ提出する改正案を用意した。

 しかし、ネットユーザーや与党に加え、海賊版の被害者である漫画家などからも「違法化の対象が広すぎて国民のインターネット利用を萎縮させる」「議論が拙速で十分に検討されていない」といった批判が相次いだ。

 このため、文化庁は2019年の通常国会への改正案提出を断念した経緯がある。そこで、当初の改正案に対する意見募集(パブリックコメント)を改めて実施。今回の検討会での議論を経て改正案を作り直し、早ければ2020年の通常国会で著作権法改正を目指す考えだ。

違法化の対象を絞り込みへ

 11月27日の会合冒頭で赤松健構成員(日本漫画家協会常務理事)は、「(当初の改正案に対しては)2019年春に日本漫画家協会として、あまりに(ダウンロード違法化の)範囲が広いので反対声明を出したが、要件を絞ればぜひ規制をやっていただきたい」と説明。さらに「ネット上の海賊版は将来の日本の漫画文化に大きなダメージがある。先日、改めて出版9社や出版広報センターと共同で違法化の法整備を求める声明を出した。本会合で議論を進めてほしい」として、ダウンロード違法化の対象を絞り込むなど内容を見直したうえでの法改正に期待する考えを示した。

 文化庁は今回、パブリックコメントを踏まえて新たな改正案のたたき台となる複数の草案を提示した。例えば数十ページある漫画の1コマだけなど「軽微」なネットへの掲載や、スクリーンショットに違法画像が写り込むケースなどはダウンロード違法化の対象から外す案を示した。

 ダウンロード違法化の対象を絞り込む案としては、(1)「原作のまま」のコンテンツのみ、(2)「著作権者の利益を不当に害する」場合のみ、(3)著作物の「全部または相当部分を丸ごと」ダウンロードする場合のみ、(4)漫画やアニメのみ、など複数の案を示した。当初の改正案に比べ、だいぶ譲歩した格好だ。

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