「日本からの当社の部品調達額は今年1兆1000億円に達するとみている。来年はさらに増えるだろう。日本のサプライヤーやパートナーに感謝したい。お互いにウィンウィンの関係を築いてきた」

 中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の梁華会長は2019年11月21日、都内で開催した記者会見でこう述べた。2014年から2018年の5年間をみると、同社の日本企業からの部品調達額は合計2兆2000億円に達し、年平均で33%増加している。2018年の調達額は7210億円だったが、2019年は1月から9月までで既に7800億円分の部品を日本企業から調達しており、2019年の9カ月間だけで前年を上回っている。

11月21日、都内で記者会見をする華為技術(ファーウェイ)の梁華会長
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 梁会長は「日本企業から調達した部品をファーウェイがグローバルに展開している」という点も強調した。具体的には2018年度の7210億円の部品調達額のうち97%に当たる6980億円は日本以外の市場で使われているという。また「数学分野に強いファーウェイと物理・化学分野に強い日本企業とが互いに補完し合いながら、一緒にイノベーションを起こしてきた」との認識を示し、日本企業と「真の協業を実現してきた」と訴えた。

 米国は2019年5月、ファーウェイと取引している企業に事実上の輸出制限をかけた。「我々は大きな外部の圧力に直面したが、2019年度第1~第3四半期のファーウェイの世界全体の売り上げは前年比で22.4%増加した」。2019年度は米国に代わり、日本がファーウェイにとって最大の調達先になりそうだ。

ファーウェイの日本市場への経済効果を調査

 この記者会見では「ファーウェイが2018年度のビジネス活動によって日本市場にもたらした経済効果が7660億円に上る」という英オックスフォード・エコノミクスの調査結果も公表した。内訳はファーウェイの日本市場で自社の活動を実施するための営業支出に関連する「直接的効果」が200億円、ファーウェイが日本のサプライヤーの製品やサービスを調達することによって影響を受ける雇用などの「間接的効果」が5210億円、ファーウェイやそのサプライチェーン関連企業による賃金支払いが消費に回ることでGDP(国内総生産)に貢献する「誘発的効果」が2250億円だという。「当社はこれまでも企業が経済にどんなインパクトを与えたかという点について、産業連関表を用いて確立された手法で数々の企業を分析してきた」と、オックスフォード・エコノミクスの長井滋人・在日代表は強調した。ファーウェイに関しては既に英国と欧州連合(EU)についても同様の分析をしている。

 ファーウェイが日本経済への貢献や日本企業との協力関係の強さをアピールする背景には、日本政府が2018年12月、政府調達で中国製の通信機器を事実上排除する方向を示し、国内携帯各社が5G通信網でファーウェイの通信機器を使わないことを決めていることがありそうだ。

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