「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入してはみたものの、思うような成果が得られていないというユーザー企業が少なくない」。RPAツール「WinActor」を提供するNTTデータの中川拓也デジタルソリューション統括部RPAソリューション担当課長はこう話す。

 多くの企業が働き方改革の一環でPC作業の生産性向上を狙い、「簡単に導入できる」といった売り文句のRPAを採用した。だが、思うように利用が進んでいない企業もあるようだ。RPAツール「BizRobo!」を展開するRPAテクノロジーズの大角暢之社長も「RPAの導入を始めたものの、実際に開発してみると難しくて作業が滞ったり、全社に広まらないなどの課題に直面したりしているケースが少なくない」と指摘する。

 こうした現状を打開しようとNTTデータやRPAテクノロジーズ、「UiPath」を手掛ける米ユーアイパス日本法人などが2019年10月以降、ユーザー企業に向け新たな普及支援策を相次ぎ打ち出している。(1)教育研修体制の拡充、(2)開発コミュニティーの活性化、(3)RPAの適用業務を見つけやすくする新製品の投入、といった3つの支援策だ。

 もちろんRPAの導入に足踏みしているユーザーばかりではない。年10万時間以上のPC作業を自動化したユーザー企業も登場している。

 RPAツールベンダーは成功事例を基に、これから成果の獲得を目指すユーザー企業を支援することで、RPA普及の拡大を図る。ユーアイパス日本法人の馬嶋慶マーケティング本部長は「RPAで成果を出す先進企業の実績を踏まえて、どのような社内体制を整えればよいか、RPAで自動化するPC作業をどう社内で増やしていくかといったノウハウを広く共有できるようにしていくことが重要だ」と指摘する。同社は2020年からノウハウの共有などの施策を本格化させていくという。

 以下で主要RPAツールベンダーの取り組みを詳しく見ていこう。

RPAテクノロジーズは分かりやすい教育研修拠点を全国へ

 教育研修体制の拡充を進めている1社がRPAテクノロジーズだ。RPAテクノロジーズは2019年11月13日、RPA導入支援事業を手掛けるグッドライフやU-NEXTマーケティングと共同で、福岡市内に最初の拠点である「!(びっくり)センター福岡」を開設した。2020年内に愛媛や沖縄、大阪、名古屋、北海道などにも同様の拠点を作る。

RPAテクノロジーズなどが福岡市に立ち上げた教育研修拠点「!センター福岡」の様子
(出所:RPAテクノロジーズ)
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 特徴はIT開発が未経験の業務担当者でもBizRobo!による開発手法を学べるようにした点だ。分かりやすさを重視した教材を作成した。教材の作成はグッドライフの竹内瑞樹ロボティクス事業部長が担当した。竹内事業部長は住宅設備大手のLIXILで約600人の業務担当者へRPA開発を教育した経験を持つ。その結果、年15万時間のPC作業を自動化できた。教材は竹内事業部長がLIXILで得た経験を踏まえて作った。

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