マイナンバーカードの申請数が全国の自治体で急増するなか、「カードの信頼性に影響しかねない」(自治体関係者)トラブルが発生した。カードの内蔵ICチップに搭載した公的個人認証サービス(JPKI)の電子証明書が更新できないシステム障害が2019年11月11日に多数の自治体で発生した。2日後に更新を全面的に再開したものの、システムに不安定さが見えたため自治体関係者の懸念は拭えていない。

初めての証明書更新でトラブル

 経緯を振り返ると、証明書の発行などを担うシステムを運用する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に対して、自治体から最初のトラブル発生の報告があったのは2019年11月11日午前8時48分だった。京都府長岡京市からJ-LISのヘルプデスクに「更新手続きができない」と報告があった。

 その後、同日中に同様の問い合わせなどが約240件寄せられた。J-LISは同日午前に各都道府県に異常発生をメールで知らせるとともに、電子証明書の発行や更新を停止するように通知した。

 なぜこの日にトラブルが集中発生したのか。それは「発行日から5回目の誕生日まで」というカードの電子証明書の有効期限と関係がある。2019年11月はマイナンバー制度が始まった直後の2016年1月にカードを申請した利用者が初めて更新手続きを迎える月だったのだ。

 有効期限通知書は有効期限の2~3カ月前からJ-LISが該当者に送る手はずになっているため、J-LISは該当者に対して2019年10月から通知書を送り始めた。トラブルはマイナンバー制度の開始以来、初めて更新手続きを受け付けた自治体の窓口で起こったわけだ。

図 マイナンバーカードや電子証明書の有効期限を通知するために利用者に送られているパンフレット
(出所:総務省)
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「復旧」と公表するも復旧できず

 一部の自治体では、電子証明書が更新できなかったためにいったん失効した電子証明書を再度更新しようとして失敗したり、証明書を新たに発行したところ有効期限が1年減ってしまったりといったトラブルもあったようだ。J-LISは「自治体から問い合わせがあれば(更新の)方法などを連絡している」という。

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