ジェイテクトは、同社の工作機械などに搭載する基盤技術や最新技術を新ブランド「TAKTICA」として体系化した。既に搭載済みの技術から今後の製品に搭載していく技術までを広く網羅するもので、2019年11月13~15日に開催した同社のプライベート技術展「JTEKT Technical Fair 2019」(JTF2019、同社刈谷工場など)で初披露した。「これから機械の知能化・スマート化が進み、さらにいろいろなことができるようになる。これまでばらばらに開発してきた技術を整理し、それらを組み合わせてユーザーへ提案できるようにした」(常務取締役工作機械・メカトロ事業本部本部長の加藤伸仁氏)。

 「モノづくりを次代に導くキーテクノロジー」と銘打つTAKTICAは、大きく3つの領域で構成する。1つは、熱変位補正やロボット、画像認識など基盤技術として工作機械に標準的に組み込む「TAKTICA TECH」。2つ目は人工知能(AI)などを活用した知能化技術「同 SMART」。びびり検知や工具の摩耗検知、切削条件の自動決定、加工ノウハウのモデリングなどから成り、主にオプション機能として提供していく。3つ目は、ギア歯面の円筒研削の加工制御など将来の新技術提案を「同 BEYOND」である。

図1 ジェイテクトが立ち上げた技術ブランド体系「TAKTICA」
(資料:ジェイテクト)
[画像のクリックで拡大表示]

最適な加工条件を機械が自動で設定

 例えばJTF2019では、新発売のカムシャフト研削盤「GC20S」「GL32S」にTAKTICA技術を盛り込んだカムシャフト研削システムを披露した。GC20S・GL32Sは、立方晶窒化ホウ素(CBN)砥石を用いた研削盤で、GC20Sでカムシャフトのカムロブ部を、GL32Sでジャーナル部を研削する。

図2 カムシャフト研削盤「GC20S」「GL32S」と搬送ロボットを組み合わせたカ研削システム
さまざまなTAKTICA技術を盛り込んでいる。上部の青い産業用ロボット(安川電機製)が壁掛けロボット搬送システム「TRANSPIDEDR」。(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 新しい研削盤はダイレクトドライブモーターや高剛性流体軸受けの採用などによる砥石台を小型によって装置本体を小型化。さらにTAKTICA TECHの1つである静圧ガイドや静圧軸受けの油量制御するシステム「STAT CONTROL」によって小型でも高剛性の砥石軸を実現。主軸回転数を他社競合製品に比べて1.3倍、砥石の切り込み量を同1.2倍に高めて加工時間短縮を実現しているという。熱変位を補正する「THERMAL MATRIX-C」によって加工精度を向上させている。さらに披露した研削システムでは、ワーク搬送用のロボット「TRANSPIDER」や、画像情報からワークを判別する「MEISTER'S EYE」も盛り込んだ。TRANSPIDERは工作機械の上部に設置したレール上を走行する壁掛け型の多関節ロボット。安全柵が要らず省スペースで設置できる。

図3 STAT CONTROL
静圧ガイドなどの油量を制御する。(資料:ジェイテクト)
[画像のクリックで拡大表示]

 知能化技術であるTAKTICA SMARTとしては、びびりを予測する「CHATTER CHECKER」、ワークの焼けを予測する「BURN CHEKER」の他、参考出展ながら同社のノウハウや設備性能などを基に加工条件を自動で最適化する「TAKUMI NURON」も同システムに搭載した。「設備が自ら進化し続ける自律型システムを実現できる」(同社)と自信をみせる。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら