「私の心情は(2019年5月に米政府による制裁リストに入ってから)変わっていない。ただ、もし私の今の表情が当時と違うとすれば、日本の幅広い消費者がこの数カ月、ファーウェイを応援・支持してくれていると感じたからだろう。応援の言葉をSNSに書き込むだけでなく、購買力をもって支持してくれた」――。

 華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)でスマートフォン事業のトップを務める呉波ファーウェイデバイス日本・韓国リージョンプレジデントは2019年11月14日に同社が開いたスマホ新製品の発表会で、「制裁リスト入りが明らかになった直後の2019年5月の発表会と比べて顔つきが和らいだ」と記者に指摘され、心中を明らかにした。

ファーウェイ・ジャパンの呉プレジデント
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世界・国内ともに販売好調だが……

 呉プレジデントがこう語るのは、決して強がりではないだろう。米調査会社IDCによると、2019年7~9月の世界スマホ市場で中国・華為技術(ファーウェイ)はシェア18.6%で2位を堅持した。

 制裁リスト入りという逆境のなかで米アップル(Apple)の13%を上回り、1位の韓国サムスン電子との差を2019年4~6月の5.1ポイントから3.2ポイントへとむしろ縮めた。国内でも、調査会社BCNによる大手家電量販店のPOS実売データの集計で、2019年1月~10月累計でシェア3位、SIMフリースマホに限れば1位と、存在感を示している。

 とはいえ、呉プレジデント自身が「窮地を脱したという印象はない」と語るように、ファーウェイのスマホ事業が制裁リスト入りで存続の危機に瀕している状況に変わりはない。事態を打開するため、同社が日本向けに一手を繰り出した。日本のアプリ開発者を支援する独自プラットフォーム強化である。これまでファーウェイにスマホOS「Android」を提供してきた米グーグル(Google)に依存することなく、自社だけでスマホ事業を継続する狙いだ。

 具体的には同日の発表会で呉プレジデントは、同社製スマホ向けのアプリ開発・配信プラットフォーム「HMS(Huawei Mobile Services)」の強化策を打ち出した。HMSを通じてアプリを開発・配信したいと考える開発者に対し、「日本語による開発支援」「アプリの世界的なマーケティング支援」「クラウドサーバーの無料提供」などを順次提供。2019年12月にはアプリの開発者大会を東京で開く計画も明かした。一連の強化策で10億ドル(約1080億円)を投じるほどの力の入れようだ。

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