「工作機械にロボットが組み込まれていることに対する驚きの段階から、本気で採用する段階に入ってきている」。オークマは、工作機械向けのロボット技術「ARMROID」「STANDROID」(「ROID」シリーズ)の性能向上と対応する工作機械の機種拡大を図る。2019年11月13~15日に同社本社工場などで開催した「オークママシンフェア2019」で新機種などを初披露するとともに、代表取締役社長の家城淳氏は、冒頭のように述べてロボットの普及への意気込みを見せた。

図1 オークマ代表取締役社長の家城淳氏
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 加工現場では人手不足などを背景にして自動化の要求が高まっている。2018年に発売したROIDシリーズは、工作機械のNC装置でロボットの操作や設定が可能で「工作機械が扱えれば誰でも使える」(同社取締役技術本部本部長の千田治光氏)のが特徴。アームの経路の自動生成や衝突回避機能も備える。初心者でもプログラムレスで使えるROIDシリーズの強化により自動化への対応を加速させる考えだ。

可搬質量2倍、複合加工機にも搭載

 工作機械に内蔵するタイプの4軸のARMROIDについては、新型ロボット「ARMROID A201」を開発するとともに、複合加工機に搭載した。従来の「同 A101」の可搬質量が5kg(ワークのみ)なのに対し、A201は2倍の10kg(同)となった。可搬質量の増大によって、ワークのサイズや種類の幅を拡大した。具体的には、3爪のエンドエフェクター(ハンドの先)の装着によってフランジ形のワークを扱えるようになった。従来は、シャフト形のワークしか扱えなかった。可搬質量が5kgのA101では大きくて重い3爪のエンドエフェクターを装着できなかったからだ。扱える最大のワークサイズは直径80×長さ480mm(従来に比べて25%増)。フランジ形ワークなら最大で直径150mmにまで対応できる。

図2 ARMROIDを搭載した複合加工機「MULTUS B250II ARMROID」
工程集約と自動化の相乗効果により加工時間の短縮や人で作業の削減が期待できる。(写真:オークマ)
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図3 可搬質量を2倍に高めたARMROID A201
可搬質量は10kg。3爪のエンドエフェクターが使えるようになり、フランジ形ワークをハンドリングできるようになった。(写真:日経 xTECH)
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 加えて搭載機種として複合加工機「MULTUS B250II」を加えた。従来は、NC旋盤「LB3000 EX II」だけだった。複合加工機との組み合わせにより、旋削からミーリング、同時5軸まで幅広い加工においてARMROIDを活用できる。複合加工機による工程集約とロボットによる自動導入化の相乗効果で加工時間の短縮や長時間の連続加工が期待できるとする。「中小企業の人手不足が顕著になる一方、加工するワークが多様化している。ROIDシリーズで自動化を加速させたい」(千田氏)。

 同社可児工場のスマートファクトリー「Dream Site3」(DS3)では、既にMULTUS B250II ARMROIDを活用している。例えば、パレットチェンジャー用の部品加工では、段取り替えの削減や工程集約によって加工リードタイムが35%減少。さらに、20時間の連続運転が可能になり人手作業を65%削減できたという。

図4 ARMROID導入効果
DS3では、複合加工機にARMROIDを搭載した「MULTUS B250II ARMROID」を導入。加工リードタイムや人手作業の削減に効果を上げている。(資料:オークマ、写真:日経 xTECH)
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 なお、MULTUS B250II ARMROIDに搭載するのはA201のみだが、LB3000 EX IIはA101かA201を選べる。価格はA201を搭載したMULTUS B250II ARMROIDのフランジパッケージで1644万円(税別)。

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