日産自動車は今後のエンジンの開発において、Additive Manufacturing(AM:付加製造)が鍵を握ると指摘する。中でも、金属を材料として3D(3次元)プリンターで造形する技術は環境や車外音といった規制への対応に効果的とした。部品の軽量化を進めるうえで3Dプリンターを活用し、素材や部品の強度などを根本から見直した新たな工法の確立を目指す。

 日産のパワートレイン生産技術開発本部 パワートレイン技術企画部でパワートレイン技術統括グループエキスパートリーダー(PT新商品工法開発)の塩飽紀之氏は、今後厳しさを増す規制に対応するために、エンジンの開発において新たな工法の活用が必要だと説明する(図1)。その一例が3Dプリンターの活用だ。

 2019年10月30日に開催されたストラタシス・ジャパン主催の「3D プリンティングフォーラム 2019」で講演した。

図1 日産自動車パワートレイン技術統括グループエキスパートリーダーの塩飽紀之氏
2019年10月30日に開催されたストラタシス・ジャパン主催の「3D プリンティングフォーラム 2019」で講演した。(撮影:日経Automotive)
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば日産は、シリンダーヘッドの試作品の作製で、ドイツSLMソリューションズ(SLM Solutions)のパウダーベッド方式の3Dプリンター「SLM500」を活用している。アルミニウム合金を素材に使ったものだ。

 実部品は鋳造して製造するため耐久評価などは今後の課題ではあるが、「吸気・排気のメカニズムの確認といった機能性の評価では十分に使える。従来の2~3カ月から5日に短縮でき、開発スピードが上がった」(塩飽氏)と評価する。3Dプリンターで試作品を数種類作成することで、短期間での比較・検討が可能になった。

 ただ、「従来の鋳造でできる部品と同じものを3Dプリンターで製造しても意味がない。今後は、付加価値をどう見いだすかが重要」と塩飽氏。3Dプリンターの技術を生かした開発の1つとして、エンジン部品の軽量化に同社は取り組む方針だ。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら