「我々はもはやカード決済技術の企業ではない。マルチレール決済技術の企業だ」。2019年10月30日、来日した米マスターカード(Mastercard)の最高製品責任者であるマイケル・ミウバック氏は日経 xTECHの取材に応じ、こう語った。

 マルチレール決済とは企業向けと個人向けの様々な決済手段を意味する。マルチレール決済を新戦略としてマスターカードは決済サービスを拡充している。

米マスターカードの最高製品責任者であるマイケル・ミウバック氏
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 2019年9月、企業間決済を効率化する「Mastercard Trackビジネス決済サービス」を発表した。「企業間取引の難しい問題の1つは、いつ自社の口座に入金されるのか、そして自社は何にお金を支払ったのかといったキャッシュの流れを可視化することだ」とミウバック氏は言う。

 Mastercard Trackビジネス決済サービスは、請求書番号などの送金データに基づいて入金を処理し、入金と請求を照合する作業を効率化する。銀行口座決済やカード決済、ACH(小口決済システム)による決済など様々な決済手段に対応しており、販売(提供)側の企業は自社にとって効率の良い入金方法に集約できる。販売側の決済方法や条件がプラットフォーム上で可視化されるため、購入側の企業も自社にとって適切な決済手段に対応した取引相手を選択できる。

次々と決済企業を買収

 マスターカードは米マイクロソフト(Microsoft)と協業して2018年9月に企業間取引のプラットフォーム「Mastercard Track」を導入した。より安全で効率的な決済を促進するため、シンガポール政府が運営する貿易情報管理プラットフォームである「Networked Trade Platform」とも連動している。Mastercard Trackビジネス決済サービスはMastercard Trackの中核となるサービスであり、2020年以降、米国を皮切りに世界展開する方針だ。「世界の決済市場は125兆ドル規模と言われるが、大多数の決済は銀行口座間でなされている。我々はカード決済のみではなくあらゆる種類の決済に対応したサービスを提供したい」(ミウバック氏)

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