政府は2022年度をめどに、ドローンによる有人地帯での目視外飛行を実現する目標を掲げた。2019年6月のことだ。目視内か目視外か、飛行エリアが有人か無人かなどで定めるドローンの飛行レベルでは最上位の「レベル4」に相当し、ドローンの産業利用が本格化することを意味する。

 ドローンが前提となる社会の実現に向けて、FAI Drone Tokyo 2019 Racing & Conference実行委員会(委員長:今枝宗一郎衆院議員)は2019年11月1日、「第46回 東京モーターショー2019」のシンポジウムとして産官学のドローン関係者を招集した。ドローンを巡る法整備や社会的受容性などについてパネルディスカッションを催した。

パネルディスカッションの模様
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「ルールのさじ加減が難しい」

 焦点となったのは、ドローンを社会実装するに当たっての障壁に関する議論だ。ドローン社会共創コンソーシアムの副代表を務める慶応義塾大学大学院の南政樹政策・メディア研究科特任講師は「(ドローンの)技術開発は日進月歩。それに対してどれくらい技術側に寄せてルールを形成できるのか、そのさじ加減が難しい。例えばオペレーターの目の届かないところにドローンを飛ばしたとき、飛行映像の遅延について社会はどの程度許容してくれるのか。規制は最低限であるべきだ」と訴えた。

 これに対して、内閣官房の小型無人機等対策推進室に所属する長崎敏志内閣参事官は「さじ加減は役所が一番苦手とする分野だ」と答えた。「ドローンを飛ばす目的は様々だが、その一方でドローンの飛行に不安を抱く住民もあり、どのあたりで折り合いを付ければよいかが悩ましい。『技術開発と法整備が両輪』とはよく言うが、役所からすれば、どの場面を想定して法を整備したり基準を設けたりすればよいかといった認識を共通しにくい問題もある」と語った。

 続けて長崎内閣参事官は「2022年に経済活動で活用されるドローンにおいて、どういった場面を想定して安全基準などの制度づくりを希望するのか」とパネルに臨席したドローン事業者に問いかけた。

 これに対し、ドローンの開発を手掛ける自律制御システム研究所(ACSL)の鷲谷聡之最高執行責任者/COOは次のように答えた。「ドローンの作り手やサービスする側としては、まずエンドユーザーの需要ありきで進める。手応えのある場面は点検と物流、災害対応の分野だ」

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