ソフトバンクグループは2019年11月6日、2019年4~9月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。営業利益は前年同期の1兆4207億円の黒字から一転、155億円の赤字に転落した。経営危機に陥ったシェアオフィス「ウィーワーク(WeWork)」運営の米ウィーカンパニー(The We Company)が足を引っ張った。孫正義会長兼社長はウィーワークを立て直し、窮地を脱することができるのか。

ウィーワークの経営再建策を発表するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長
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 「真っ赤っかの大赤字だ。台風というか大嵐だ」。孫氏は2019年11月6日に都内で開いた決算説明会で、こう切り出した。第2四半期(7~9月)だけでみると、7043億円の営業赤字を計上した。前年同期は7057億円の黒字だった。

 主因はウィーの経営危機だ。ソフトバンクGと10兆円ファンドのソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)はウィーに1兆円規模を投じてきたが、上場延期など一連の騒動を受けて、同社の企業価値が大きく落ち込んだ。その結果、ソフトバンクGからウィーへの投資分で47億ドル(約5100億円)、SVFからウィーへの投資分で35億ドル(約3800億円、外部投資家の持ち分を含む)の損失をそれぞれ計上した。

「4~6年後には10億ドルのEBITDAを実現」

 にもかかわらず、孫氏はウィーに1兆円規模を追加で投じ、ソフトバンクGが中心となって経営再建を進めると決めた。理由はウィーワークの事業に将来性があるとみているからだ。孫氏はウィーワークを「青りんご」と例えた。今はまだ食べごろではなく収益を生まないが、将来的には実を結んで収穫期を迎えるという意味だ。

 根拠はこうだ。ウィーワークが全世界で運営するオフィスの座席数は年々倍増しており、拠点となるビルは世界で約700に及ぶ。その多くが開業から半年以内という。開業から半年以内の拠点は赤字のところが多く、現状では「全体の4割が赤字」(孫氏)という。さらに建設中のビルも多数ある。これらは収益を生まず、設計などにもコストがかかっている。

 こう書くと将来性がないようだが、開業から時間がたつにつれて稼働率が上がっていく。1年を過ぎると粗利が伸びて「高収益になる」(孫氏)という。

 そこでウィーワークによる新規の拠点開業を一時的に取りやめる。これによりコストを下げる。さらに本業と相乗効果が見込めない関連事業を「売却したり手じまいしたりする」(孫氏)。一連の施策によって収益は改善していくとみており「時間が解決してくれる」(同)。

 孫氏は一連の取り組みを「基礎編」と表現した。基礎編によって赤字を止め、「10億ドルのEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を4~6年で実現できる」(孫氏)。そのうえで「応用編」に挑む。応用編とはAI(人工知能)などのデジタル技術を活用して、企業価値をさらに高める取り組みを指す。

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