デジタル技術を駆使して体や足のサイズを測る「サイズテック」が国内外のファッション業界市場で注目の的だ。特にEC(電子商取引)化が進んでいない紳士服分野では、今後の成長を期して各社が力を注いでいる。これまで紳士服専門店やEC事業者が先行してきたが、老舗百貨店もついに乗り出した。

老舗百貨店も三越伊勢丹が「サイズテック」に乗り出した
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若い世代の取り込み狙う

 その1社が三越伊勢丹だ。2019年10月29日、オンライン完結型のオーダーサービス「Hi TAILOR(ハイ・テーラー)」の提供を始めた。スマートフォンで同サービスのWebサイトにアクセスした後で、スマホのカメラで全身を採寸する。三越伊勢丹は取得したデータを基に1人ひとりにぴったりなサイズのシャツを販売する。

 2020年春にはスーツも販売する計画で、ネットで手軽にオーダーを楽しめる環境を用意する。狙いについて、デジタル事業部新規事業ディビジョンパーソナルオーダーの横山達也氏は、「百貨店になじみが薄い20代後半から30代後半の若い世代の取り込み」と明かす。

 後発となった三越伊勢丹が手を組んだのが、中国・深圳のAI(人工知能)開発ベンチャー、TOZIテクノロジーカンパニー(SHENZHEN TOZI TECHNOLOGY)だ。同社が開発した全身を3Dで捉えて体のサイズを測る技術を採用した。Webサイトにスマホでアクセスして伸長と体重を入力し、そのままスマホのカメラで正面からと横から1枚ずる撮影すると、30秒から1分ほどで全身のサイズを測れる。

身長と体重を入力し、正面からと横からの2枚を全身が入るように撮影する
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撮影後30秒~1分ほどで全身のサイズを計測する
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 サイズテックの技術は世界中で開発されている。その中で、TOZIと手を組んだ理由について、三越伊勢丹のデジタル事業部新規事業ディビジョンに祖属する篠崎克志氏は「採寸精度の高さと開発スピードの速さが決め手になった」と話す。

 ただ、一筋縄でサービスを開発できたわけではない。「当初はシャツやスーツを仕立てる際に必要となる体の採寸の位置や角度に微妙なズレがあるなど、満足のいくものではなかった」(篠崎氏)。

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