ホンダが2020年2月に発売する次期「フィット」で電子アーキテクチャー(基盤)を刷新し、多層防御の構成を採用したことが日経 xTECHの調べで分かった。同構成の採用は、ホンダとして初めて。セキュリティーを高めて、電子制御ユニット(ECU)への不正なアクセスを防ぐ。今後、他のホンダ車にも多層制御を採用していくとみられる。

[画像のクリックで拡大表示]
次期フィットの外観。(撮影:日経 xTECH)

 ホンダは、スマートフォンでドアロックや空調を遠隔操作できる機能を次期フィットに採用して利便性を高める。一方で、遠隔から車に不正アクセスしやすくなる。「多層防御でセキュリティーを強化する必要性が高まっていた」(ホンダ関係者)。

 自動車の多層防御とは一般に、電子基盤を大きく4層に分けて、各層に異なるセキュリティー対策を取り入れるもの。例えば車載電子系の標準化団体ジャスパー(JASPAR)が提案するのが、1層で外部通信とのアクセスポイント防御、2層のゲートウエイで制御系ECUへの入り口の防御、3層で車載ネットワークにおけるデータ通信の防御、4層で「走る・止まる・曲がる」を制御する最も重要なECUの防御、という構成である。ホンダはJASPARの提案を参考に開発したとみられる。

[画像のクリックで拡大表示]
自動車における多層防御の構成
車載電子システムの標準化団体「JASPAR」が提案するもの。自動車のネットワークとECUを大きく4層に分けて構築し、各層でセキュリティー対策する。ホンダはこれを参考に開発した。JASPARなどの資料を基に日経 xTECH作成した。

 多層防御の要の1つであるゲートウエイに、ホンダはケーヒンが初めて開発したものを採用した。ゲートウエイは、自動車に攻撃するときの“入り口”となる外部通信と、車載ネットワークを隔てる役割を担う。フィットに存在しない信号を排除する「フィルタリング機能」をゲートウエイに設けて、攻撃者による不正な信号の侵入を防ぐ。

 ゲートウエイには、車載ネットワーク「CAN(Controller Area Network)」に流れる多くの信号を“交通整理”する役割もある。ホンダは新電子基盤で、パワートレーンやシャシーなどの「領域(ドメイン)」ごとにECU群を整理し、ドメイン間の通信にゲートウエイを介する構成にした。ネットワーク構成を単純にできて、車種によってECUの追加と削除をしやすくなる。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら