「においを嗅ぎ分ける技術を活用し、あらゆるにおいの課題の解決に貢献したい」――。コニカミノルタは新規事業の一環として、体臭を判定する装置「KunKun body」を2018年に実用化した。それから約2年。においを嗅ぎ分ける技術を応用し、身だしなみを確認する以外にも用途を広げようとしている。

KunKun bodyの測定装置とアプリ
(出所:コニカミノルタ)

 KunKun bodyは小型の測定装置とスマートフォン用のアプリから成る。頭や耳の後ろ、脇、足を対象に、一般的に不快なにおいとされる「汗臭」や「加齢臭」、「ミドル世代の脂臭」のパターンを装置が嗅ぎ分け、その強さを数値で示す。口臭の強さについても100段階で可視化するものだ。

 発売当初コニカミノルタは、自分では気づきにくい体臭への不安を解消する装置として利用者に訴求してきた。だが最近ではその他に、体臭を確認することで生活習慣を変える意識改革の啓発に乗り出した。その名も「生活習慣臭啓発プロジェクト」だ。生活習慣臭とは不規則な生活が原因で生じる不快な汗臭や加齢臭、ミドル世代の脂臭、口臭を指す。同社とにおい評論家の桐村里紗医師が提言している言葉だ。

 「生活習慣臭をチェックすることで、生活の乱れとそれが原因で生じる体調の変化に対するアラートに利用できるのではないかと考えている」とコニカミノルタビジネスイノベーションセンタージャパン(BIC Japan)の石川雄マーケティングマネージャーは話す。

 コニカミノルタは「意識改革」の先を見据えている。最終的に目指すのは、体臭から疾患を検出することだ。疾患検出の手始めとして、歯周病の原因とされる揮発性硫黄化合物(VSC)で生じる口のにおいを可視化する研究を進めている。「歯科医院に定期的に通う人は少ない。身近な装置でチェックできれば、歯周病が重症化する前に気づきを与えられる」と石川マーケティングマネージャーは期待する。

 KunKun bodyの技術はヘルスケア以外にも応用できそうだ。「共同研究の可能性など多くの企業から問い合わせをもらっている」とコニカミノルタBIC Japanの波木井卓所長は話す。例えば、レンタカー内のたばこのにおいを判定する技術の共同開発を検討している企業があるという。清掃後の車内のにおいを判定し、たばこのにおいが消えたかどうかを確認する。他にも食品の腐敗臭の判定などにも技術を応用できる可能性がある。

 コニカミノルタはKunKun bodyの応用分野の拡大の他にも、同社が保有するにおいのデータを活用した共同研究やビジネスも検討中だ。「オープンイノベーションで事業を進めるので、積極的に他社と協業していきたい」と波木井所長は話していた。

KunKun bodyの今後の展望
(写真:日経 xTECH)
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