東芝デバイス&ストレージは、産業分野の組み込み機器を狙ったセキュアーマイコンの開発を進めている。2020年上期に、機器の真贋(しんがん)判定に使うセキュアーマイコン(同社は「ルート・オブ・トラスト・マイコン」と呼ぶ)のサンプル出荷を始める予定である(ニュースリリース1)。そのマイコンを搭載することで、機器が不正品や非正規品でないかどうかを判定できるようになる。

2020年にサンプル出荷開始の予定で、セキュアーマイコンの開発を東芝デバイス&ストレージは進めている。同社のスライド
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 このマイコンには、通常処理を行う領域とは独立したセキュアーな領域が設けられている。セキュアー領域には、製造時にセキュアーな方法で組み込んだ暗号鍵と証明書や、暗号化回路がある。これらを使って真贋判定を行う。チップ上のセキュアーな仕組みは、東芝デバイス&ストレージ独自の技術で開発したという。同社の菅原毅氏(デジタルデバイス技師長)によれば、特定顧客に向けたICカード用セキュアーチップやデジタルテレビ向けの著作権保護機能などで培ったセキュリティー技術をベースにしている。さらに、同社には製造をセキュアーに、すなわち、暗号鍵などの情報を外部に漏らさずに大量生産する技術もあるとのことだった。

ハードウエアとして独立したセキュアーな領域を設けている。東芝デバイス&ストレージのスライド
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 ユーザーが独自に真贋判定の系を作ることは技術的に不可能ではないが、サードパーティーのサービス(トラストサービス)を利用する方法が一般的だという。東芝デバイス&ストレージは、同社のセキュアーマイコンのユーザーにトラストサービスを提供する企業として、サイバートラストと手を組んだ(ニュースリリース2)。サイバートラストのトラストサービスを利用する場合、真贋判定用の情報(暗号鍵など)はトラストサービスから東芝デバイス&ストレージに提供され、東芝デバイス&ストレージがセキュアーマイコン製造時にそのセキュアー領域に収める。それ以降の機器のライフサイクルの各段階では、サイバートラストのトラストサービスをベースに真贋判定などを行っていくことになる。

ライフサイクル全体でのセキュリティーを担保するため、サイバートラストと手を組んだ。東芝デバイス&ストレージのスライド
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