日本郵便は2020年1月に稼働させる新プライベートクラウド「2020基盤」で、初期コストと5年間の運用コストの合計が従来基盤に比べ82%減の約39億円になる見通しであることを明らかにした。2019年10月現在、テストや、BCP(事業継続計画)に基づくシステム切り替えの演習といった詰めの工程を迎えており、目標としていた大幅なコスト削減が確実になったもようだ。

 新基盤の構築プロジェクトは、NTTデータ出身で、東京証券取引所・日本取引所グループのCIO(最高情報責任者)を長く務めた後に日本郵便に転じた鈴木義伯専務執行役員CIOが主導。従来利用してきたハードやソフト、保守サービスの「聖域」に踏み込んで、多岐にわたる秘策や工夫を講じコスト削減に努めてきた。

日本郵便の鈴木義伯専務執行役員CIO
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OracleからPostgreSQLへ移行

 例えば「一般に広く使われていてコモディティー化(低価格化)が進んだ製品を採用する」という方針を定め、ハード・ソフトの選定段階から徹底した。従来基盤では複数メーカーのPCサーバーやUNIXサーバーなどが混在していたが、新基盤では原則として米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)製の汎用PCサーバーに統一した。

旧システムと新システム「2020基盤」の比較
(出所:日本郵便)
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 データベースは従来基盤のOracle Databaseからオープンソースソフト(OSS)のPostgreSQLに変更。ネットワーク機器はコストを重視して米シスコシステムズ(Cisco Systems)製から米アリスタネットワークス(Arista Networks)製に切り替えた。

故障から修理まで1週間のリードタイムを許容

 初期コストだけではなく、運用コストを削減する工夫も徹底している。メーカー以外の第三者保守専業ベンダーとメーカーで保守コストを競わせて、保守コストが高止まりするのを防いだ。

 並行して、保守サービスのレベルを大胆に見直した。多くのハードについて、従来の24時間365日保守をやめて、故障してから修理/取り替えまで最長1週間のリードタイムを許容する「平日日中の週1交換」に切り替える。代わりに物理サーバー1台が故障してもシステムの可用性が低下しないよう、仮想化技術を活用した冗長構成にすることで補完する。

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