マツダが希薄燃焼を実現した新型ガソリンエンジン「スカイアクティブX」。二酸化炭素(CO2)排出量の性能で2モーターハイブリッド車(HEV)に近づき、トルクで上回る。技術の評価は高い一方で、一般のエンジンと異なる発想で開発するため位置付けが不明瞭で、販売面で苦戦しそうとの指摘がある。

 2019年10月に開催された「アーヘンコロキウム」(ドイツ)や「自動車技術会秋季大会」(宮城県)で、「マツダ3」や「CX-30」に搭載する新型機の技術を発表した。

 マツダの技術者が「疑似的な可変圧縮比機能」と表現する、点火プラグを使って薄い混合気を自着火させる技術や、電圧24Vの低出力モーターの採用などで、常用域の燃費性能を現行2.0Lガソリン機比で最大2割高めたと発表した。現行ディーゼルエンジンと比べても「同等以上」(マツダ)で、燃費で世界最高水準にあるトヨタ自動車の高出力HEVに迫る。

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左が新しいスカイアクティブX、右が従来からある同G。(出所:マツダ)

 日本の発売はこれからだが、欧州で今秋に発売したマツダ3のCO2排出量を見ると、WLTPモードで125~142g/km(ハッチバック、二輪駆動)に抑えた。トヨタ「カローラ」(2.0Lガソリン機と組み合わせた2モーターHEV仕様)の110~127g/km(ハッチバック、二輪駆動)に対して、約1割の差に縮めた。

 欧州向けマツダ3の動力性能は、カローラを上回る。最高出力は132kWで同じだが、最大トルクは224N・mとカローラの190N・mと比べて2割近く大きい。加えて販売価格が安い。ドイツで2万6790ユーロ(1ユーロ=120円で約320万円)から。カローラは2万7550ユーロ(約350万円)からで、マツダ3の方が約30万円安い。

 トヨタの2モーターHEVに比べて、十分な性能と価格を実現していると思えるマツダの新型機。一方で、消費者にとって特徴が分かりにくい点が販売の足かせとなりかねないとの指摘がある。

 英調査会社IHSオートモーティブでアナリストの川野義昭氏は、「HEVとディーゼル車の良いとこ取りを狙ったと思える技術だが、比較対象が見えにくく、技術に詳しい消費者以外は選びにくいのではないか」と分析した。

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