2018年から2019年初めにかけて大論争を巻き起こした、漫画など海賊版コンテンツ対策の法制化に向けた動きが再び出てきた。文化庁は2019年9月30日から10月30日まで、海賊版コンテンツのダウンロード違法化などに関するパブリックコメントを実施している。2019年度の文化審議会の小委員会では同問題について議論しておらず、いきなりパブコメを実施するという異例の展開だ。

文化庁のサイト
(出所:文化庁)
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 2018年度の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会では、文化庁が著作権法改正による海賊版対策として「漫画村」などのリーチサイトに対する規制と共に「違法にアップロードされた著作物を、それが違法にアップロードされたことが確実だと知りながらダウンロードする行為」を違法化するとの案を提示した。現状では音楽・映画に限られているダウンロード違法化の範囲を著作物全般に広げるものだ。

 これについて「違法化の対象が広すぎる」「議論に十分な時間が取られておらず拙速だ」など懸念の声が広がった。パブコメでは違法ダウンロード拡大関連だけで500件以上の意見が寄せられたほか、小委の複数の委員が連名で反対の意見書を提出。2018年度の最終回となった2019年1月25日の会合では、複数の委員が「せめてもう1回小委を開催して議論すべきだ」と要望するなど議論が収束しないまま時間切れで終わった。

 その後、文化庁は違法ダウンロード拡大を盛り込んだ著作権法改正案を用意し2019年の通常国会提出を目指したが、ネットユーザーに加え漫画家にも広がる懸念の声を背景に与党内からも慎重論が出るなどして、最終的に断念。改正案は「お蔵入り」となった。

 今回のパブコメでたたき台とされているのは、このお蔵入りとなった改正案だ。リーチサイト規制と共に違法ダウンロード拡大についてもそのまま記載されている。併せて文化庁はパブコメの実施要項で「侵害コンテンツのダウンロード違法化は、深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じることと国民の正当な情報収集などに萎縮を生じさせないことという2つの課題を両立した案を改めて作成すべく、具体的な制度設計などを検討する必要があり、その前提としてまずは国民の皆様のご意見を丁寧に伺いたい」とした。

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