ANAホールディングス(ANAHD)が遠隔操作ロボットプロジェクト「ANA AVATAR」の商用化を宣言した。中長期を見据え、航空事業ではない新規の戦略事業としてかねて準備を進めていたプロジェクトである。

タブレット搭載のアバター第1弾をお披露目

 幕張メッセ(千葉市)で開かれたCEATEC。広い会場のほぼ中央に設けられたANAHDのブースには、タブレットを頂くポップな色彩の「装置」が所狭しと動き回っていた。同社が提供するアバター(遠隔操作ロボット)の第1弾である「 newme(ニューミー)」だ。

ANAホールディングスが提供するアバター第1弾の「newme」。脚の高さや色は調整可能だ
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 ANAHDはAVATAR事業を推進するため、米スータブルテクノロジーズ(Suitable Technologies)の自走式テレビ会議装置「Beam Pro」の国内販売権を取得している。オフィス内などでの利用を想定したBeam Proと異なり、newmeは空港や教室、博物館などで使っても周囲に違和感を与えないよう、親しみやすいデザインとしている。10.1型のタブレットを搭載し、時速2.9キロメートルで自走する。内蔵のリチウムイオン電池で約3時間の連続駆動が可能だ。

 newme と併せてANAHDは、離れた場所にあるnewmeを遠隔操作できるサービス「avatar-in(アバターイン)」の開発も進めている。2020年4月にも提供を始める計画だ。スマホアプリやタブレットアプリ、パソコンのWebブラウザーを介して簡単にnewmeを遠隔操作できる仕組みで、CEATEC会場ではavatar-inとnewmeを経由して、遠隔地の水族館の展示を会場で楽しむというデモを披露した。

タブレットの「avatar-in」アプリによるアバターの遠隔操作画面
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東京五輪までに1000台投入

 ANAHDはCEATEC会場において、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年夏までにnewmeを1000台普及させる目標を掲げた。実現可能性を高めるため、三井不動産や森ビルなどの不動産デベロッパー、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの通信3社、三越伊勢丹、電通、さらに自治体と研究機関を含めた計18社・団体を「アバター社会実装パートナー」として迎え入れた。商業施設などへの導入を通じ、早期の普及を図る考えだ。

 アバターの多様化にも力を注ぐ。ANAHDは米国の2足歩行ロボット開発ベンチャーであるアジリティーロボティクス(Agility Robotics)と新たに協業。同社の2足歩行ロボットをnewmeと同様に遠隔操作できるように改良し、avatar-inを登山などにも活用できるようにする。

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